当特許事務所は、発展的に未来へ向かっていく前向きなマインドを持って、お客様の知的財産を保護するためにいつも最善の努力を尽くしております。
このような企業精神に基づいて「韓国支援室」は、日本国内への進出を望まれる韓国人クライアント、及び、韓国への進出を望まれる日本人クライアントをサポートする役割を遂行することを目指しております。
より質の高い特許サービスを提供し、お客様のビジネスの成功のお役に立てることが我々にとってこれ以上ない喜びであると思っております。出願から権利化までの一切の代行、先行技術サーチ、ライセンス契約、特許評価、及び、争訟を含む全ての特許業務と関連して、何か手助けが必要な場合、いつでも「韓国支援室」をノックして下さい。
韓国人の私を中心として日本人スタッフと共にお客様に最適の情報を提供するようにたゆまぬ努力をすることを約束致します。
韓国支援室 室長 張 軫鉉
目次
日韓商標制度比較
韓国 | 日本 | |
パリ条約 | 〇 | 〇 |
マドプロ | 〇 | 〇 |
ニース協定 | 〇 | 〇 |
国際分類 | 〇 | 〇 |
審査制度 | 〇 | 〇 |
多区分出願 | 〇 | 〇 |
出願公開制度 | × | 〇 |
商標の種類 |
記号、文字、図形、音、匂い、立体的形状、ホログラム・動作又は色彩等(商品の出所を示す為に使用するすべての表示) |
文字、図形、記号、立体的形状若しくは色彩又はこれらの結合、音等 |
商標法の保護対象 |
商品、役務、団体商標、地理的表示、証明標章、業務標章 | 商品、役務、団体商標、地域団体商標、防護標章 |
権利付与の原則 | 先願主義 | 先願主義 |
出願人が在外者の場合の現地代理人の必要性 | 必要 | 必要 |
委任状 | 必要 ※出願後提出可 ※包括委任状制度あり |
不要(審判段階で必要) |
出願言語 | 韓国語(ハングル) | 日本語 |
存続期間 | 登録日より10年 ※更新可 |
登録日より10年 ※更新可 |
不使用取消期間 | 3年 ※何人も請求可 |
3年 ※何人も請求可 |
異議申立期間 | 公告日より2月(登録前) ※何人も異議申立可 |
公報発行日より2月(登録後) ※何人も異議申立可 |
無効審判制度 | 〇 ※利害関係人および審査官のみ請求可 |
〇 ※利害関係人のみ請求可 |
部分拒絶制度 | 〇 ※2023年2月4日より施行 |
× |
再審査請求制度 | 〇 ※2023年2月4日より施行 |
× |
その他
・韓国には指定商品追加登録制度があり、登録商標または出願中の商標の指定商品、指定役務を追加しようとするときには、追加登録出願をすることができる。
日韓意匠制度比較
韓国 | 日本 | |
パリ条約 | 〇 | 〇 |
ハーグ協定 | 〇 | 〇 |
ロカルノ協定 | 〇 | 〇 |
主な登録要件 | 新規性 創作非容易性 工業上利用可能性 |
新規性 創作非容易性 工業上利用可能性 |
新規性判断の基準 | 内外国公知・内外国刊行物 | 内外国公知・内外国刊行物 |
実体審査 | 〇 ※但し、一部の物品については、部分的な実体審査のみ行われる(「デザイン一部審査登録出願」という) |
〇 |
複数意匠出願 | デザイン登録出願:一意匠一出願複数デザイン登録出願:同じ物品類区分に属する物品は一出願に100意匠まで含めて出願可能 | 一意匠一出願複数意匠の一括出願可能 |
部分意匠 | 〇 | 〇 |
新規性喪失の例外 | 〇 ※適用期間:出願前12ヶ月 ※公報は適用外 |
〇 ※適用期間:出願前12ヶ月 ※公報は適用外 |
秘密意匠制度 | 〇 ※秘密期間:登録日から最大3年 |
〇 ※秘密期間:登録日から 最大3年 |
関連意匠制度 | 〇 ※出願時期:基本デザインの出願日より3年以内 ※存続期間満了日:基本デザインのデザイン権存続期間の満了日 但し、関連デザインの設定登録の際に、基本デザインが未登録、取消、放棄又は無効審決等により消滅した場合は関連デザインの登録不可。 |
〇 ※出願時期:本意匠の出願日より10年以内 ※存続期間満了日:本意匠の出願日より25年 但し、関連意匠の設定登録の際に、本意匠が登録料不納付により消滅、無効審決確定又は放棄されている場合は関連意匠の登録不可。 |
権利付与 の原則 |
先願主義 | 先願主義 |
出願人が在外者の場合の現地代理人の必要性 |
必要 | 必要 |
委任状 | 必要 ※出願後提出可 ※包括委任状制度あり |
不要(審判段階で必要) |
出願言語 | 韓国語(ハングル) | 日本語 |
存続期間 | 出願日より20年 | 出願日より25年 |
異議申立制度 | デザイン登録出願:× デザイン一部審査登録出願:〇 ※異議申立期間:公告日より3月 ※何人も異議申立可” |
× |
無効審判制度 | 〇 ※利害関係人および審査官のみ請 求可 |
〇 ※何人も請求可(一部除く) |
日本及び韓国の特許制度の違い
韓国 | 日本 | |
委任状 | 必須 | 不要(審判段階で必要) |
外国語書面制度 | × | 〇 |
国内書面提出期間 | 優先日から31ヶ月 | 優先日から30ヶ月 |
新規性喪失の例外 | 適用対象の公開行為の制限なし | 制限あり (学術団体での文書発表、博覧会出品等) |
コンピユタープログラム発明 | 物の範囲に“プログラム”が含まれない | “プログラム”を含む |
マルチのマルチクレーム | 違法 | 制限なし |
請求範囲の提出猶予 | 〇 | × |
審査請求期間 | 出願日から5年以内 | 3年 |
1次審査の処理期間 | 審査請求日から9.8ヶ月 | 26ヶ月 |
優先審査 (韓日特許審査ハイウェイ制度導入) |
優先審査として通称 | 優先審査制度及び早期審査制度を 区分 (手続きの簡便な早期審査制度を利用するケースが多い) |
技術的範囲の判断に対する行政的対応 | 権利範囲確認審判 | 判定制度 |
指定期間 | ・延長及び短縮可能 ・1ヶ月ずつ何回でも延長可能 |
・延長のみ可能 ・指定期間の延長に制限ある |
補正 | 右の内容以外、補正の時期・範囲は日本と実質的に同様 | ・補正前後のクレームに記載の事項は“発明の単一性”を満たすべき ・分割出願に係る発明が、原出願について指摘された拒絶理由を解消していない場合、分割出願に対する最初の拒絶理由通知に対応する補正が制限される(最後の拒絶理由受領時と同様の補正が必要) |
分割 | ・特許決定謄本送達後は分割出願不可 ・分割範囲から外れた場合は拒絶、無効理由 |
特許査定謄本送達日から30日以内の分割出願も可能 |
変更 | ・デザインと特許間の変更出願なし ・実用新案登録出願に関する最初の拒絶決定謄本の送達日より30日経過時には変更不可 ・一度登録された権利は特許に変更不可 |
・意匠と特許間の変更出願可能 ・実用新案登録出願日から3年が経過した場合は変更不可 ・実用新案登録に基づいた特許出願可能 |
審判の種類 | 拒絶決定不服審判、無効審判、訂正請求及び訂正審判、延長登録無効審判、訂正の無効審判、権利範囲の確認審判、通常実施権許諾審判 | 拒絶査定不服審判、無効審判、訂正請求及び訂正審判、延長登録無効審判 |
無効審判請求人の適格 | 登録公告日から3ヶ月間は誰でも請求できるが、その後は“利害関係人”又は審査官のみ可能 | 誰でも請求可(但し、共同出願及び無権利者の出願の違反事由の主張時は“利害関係人”のみ可能) |
無効理由(基本的な無効理由は同じ) | ・新規事項が追加された分割出願及び変更出願 ・訂正の範囲から外れた訂正は、訂正の無効審判によってその訂正が無効になる |
・外国語書面出願に関する無効事由があり、訂正の範囲に関する所定の規定を違反した場合は特許自体が無効になる |
無効審判手続きでの請求の理由の補正と訂正請求(訂正請求の範囲及び無効審判手続きでの訂正請求可能な時期は実質的に同じ) | ・請求の理由の補正:制限なし | ・請求の理由の補正:要旨変更不可(但し、審判長の許可がある場合に補正可) ・審決取消訴訟で取消判決があり、特許庁の審判部で再審理する場合に訂正請求可能 |
訂正審判請求期間の制限 | ・無効審判が特許審判院に係属している場合には訂正審判請求不可 ・無効審判手続きが特許法院(裁判所)又は大法院(最高裁判所)に係属している場合には可能 |
・無効審判の審決確定前まで訂正審判請求不可 ・但し、無効審決に対する訴えを提起した日から90日の期間内には可能 |
日本国及び韓国の「中小企業の支援策」の比較
(1)日本国の知的財産戦略本部の「知的財産推進計画2007」によれば、①中小・ベンチャー企業に対する相談機能と情報提供の強化、②中小・ベンチャー企業の知的財産の創造、保護、活用を支援、③中小・ベンチャー企業の知的財産に関する能力を高めるという支援策を強化している。
(2)韓国特許庁は、①中小企業の特許経営をより効果的に支援するために“中小企業の特許経営支援団”を発足した。支援団は、各技術分野の優秀な審査官を含めて40~50名の特許経営コンサルティングのための人力プールを構築して、コンサルティングの専門要員として活用する。支援団は、予算と人力不足により特許経営を実践していない中小企業に対して研究開発の段階で特許分析、国内外特許確保、模倣品対策、職務発明制度など特許経営の全般に対する“訪問する特許コンサルティングサービス”を展開する。②中小企業との政策懇談会を定期的に行って政策需要を発掘する一方、中小企業の特許経営の優秀事例を発掘及び普及することによって、中小企業の特許経営を促進する。
*中小企業に対する両国の手数料の減免規定
なお、両国の特許法は、中小企業の特許出願に対して、特許料および審査請求料の減免について規定している。
1韓国:特許、実用新案、デザイン出願に対して、出願料、審査請求料、最初3年分の登録料を減免(但し、デザイン出願は審査請求制度なし)
2日本:特許出願に対して、最初3年分の特許料及び審査請求料を減免
模倣品対策について
全世界的に模倣品関連事業が高付加価値収益事業と認識され急速に広がっており、2004年の統計によると模倣品の流通量は全世界交易量の7%に及ぶ5,120億ドルと推定されている。韓国内の模倣品流通実態をみると、インターネットションピングモールなどに販売網が拡大され、物品も従来のファッション関連物品(衣類、時計等)から医薬品、タバコ、自動車部品などに多様化している。
両国における模倣品対策は、以下のものである。
韓国 | 日本 | |
行政的救済 | ①権利範囲確認審判、特許無効審判、商標登録無効審判。 ②(関税法)水際措置としての通関保留措置 [商標権/著作権侵害物品の通関保留措置]-輸入、輸出の両方共に取る。 *韓国関税庁:「偽造品特別取締まり本部」を発足。 ③不公正貿易行為に対する貿易委員会による救済制度 [対外貿易法上の規制]。 |
①判定、特許無効審判、商標登録無効審判。 ②(関税法)特許権、実用新案権、商標権、著作権、著作隣接権、回路配置利用権、育成者権及び不正競争防止法により保護される利益に係る権利などの権利侵害について水際措置-輸入、輸出について規定。 *知的財産調査官が各本関に配置 |
ADR | ①紛争調停委員会(特許、実用新案、商標、意匠) ②ドメインネーム紛争調停制度 ③著作権紛争調停制度。 |
日本知的財産仲裁センター(相談,調停,仲裁,センター判定,センター必須判定,JPドメイン名に関する紛争処理) |
民事的救済 | 特許権の侵害がある場合、 ①禁止・予防請求権 ②損害賠償請求権 ③信用回復請求権 ④不当利得返還請求権 (商標権、著作権の侵害及び不正競争行為の場合も同一) 。 |
特許権の侵害がある場合、 ①差止請求権 ②損害賠償請求権 ③信用回復請求権 ④不当利得返還請求権 (商標権、著作権の侵害及び不正競争行為の場合も同一)。 |
刑事的救済 | ①特許法:特許権侵害罪、偽証罪、詐偽行為の罪、虚偽表示罪、秘密漏洩罪、当事者の虚偽の陳述、書類などの不提出、欠席等に対する過料の制裁(秘密漏洩罪を除いて商標法も同一)。 ②不正競争防止法:不正競争行為及び営業秘密侵害行為に対する罰則。 ③不公正貿易行為の調査及び産業被害救済に関する法律:知的財産権侵害物品等の輸出入、国内販売、製造行為等に関する貿易委員会の是正命令に違反した場合、刑罰。 ④著作権法:権利侵害罪、不正発行等の罪、出所明示違反等の罪を規定。 *親告罪(商標権に対する侵害罪は非親告罪)、両罰規定(法人に対する特許侵害、商標侵害の罰金は、最高3億ウォン) |
①特許法:特許権侵害罪、偽証罪、詐偽行為の罪、虚偽表示罪、秘密漏洩罪、当事者の虚偽の陳述、書類などの不提出、欠席等に対する過料の制裁(秘密漏洩罪を除いて商標法も同一) ②不正競争防止法:不正競争行為及び営業秘密侵害行為に対する罰則。 |
手数料の減免規格の比較
(1)韓国の中小企業基本法第2条によれば、以下のように、中小企業に対する手数料の減免を規定しています。
[70%減免対象の小企業]
1鉱業、製造業、建設業、運送業を主な事業とする場合、従業員数が50人未満の企業
2①以外の業種を主な事業とする場合、従業員数が10人未満の企業
[50%減免対象の中企業]
1製造業:従業員数が300人未満又は資本金80億ウォン以下の企業
2鉱業、建設業、運送業:従業員数が300人未満又は資本金30億ウォン以下の企業
3大型綜合小売業、ホテル業、福利厚生施設運営業、通信業、情報処理及びその他コンピュータ運営関連業、エンジニアリングサービス業、病院、放送業:従業員数が300人未満又は売上300億ウォン以下の企業
4種子及び苗木の生産業、漁業、電気・ガス及び水道事業、医薬品及び整形外科用品の卸売業、通信販売業、訪問販売業、旅行斡旋業・倉庫及び運送関連サービス業、専門科学及び技術サービス業、事業支援サービス業、映画産業、遊園地及びテーマパーク運営業:従業員数が200人未満又は売上200億ウォン以下の企業
5卸売り及び商品仲介業、産業用機械装備賃貸業、自然科学研究開発業、公演産業、News提供業、植物院・動物院及び自然公園、下水処理・廃棄物処理及び掃除関連サービス業:従業員数が100人未満又は売上100億ウォン以下の企業
6その他全ての業種:従業員数が50人未満又は売上50億ウォン以下の企業
[50%減免対象-大企業及び中小企業の共同研究]
大企業と、中企業又は小企業が契約によって共同研究を遂行して、その研究結果物に対して共同に特許又は実用新案登録出願をした場合
*2006年5月1日以後、出願又は審査請求をする場合、出願料又は審査請求料に限る。
(2)日本国の「審査請求料返還制度」の拡充、及び「資力に乏しい法人を対象とした特許料等の減免措置」の対象の拡大について
今般、特許法施行令及び特許法等関係手数料令の一部を改正し、特許出願が放棄され又は取り下げられた場合、審査請求料の全額の返還することを暫定的に実施するとともに、「資力に乏しい中小企業についての特許料等減免制度」の対象を拡大することと致しました。
①「審査請求料の全額返還措置」の実施(平成18年8月9日より1年間)
平成16年4月1日より、既に審査請求を行っている特許出願について、審査開始前(注)に出願を取り下げ又は放棄した場合に、返還請求(返還先を特定)して頂くことにより納付して頂いた審査請求料の1/2を返還する制度を導入されております。
今般の政令改正により、この審査請求手数料を返還する制度について、平成18年8月9日から平成19年8月8日までの1年間に出願を取り下げ又は放棄した場合に限り、納付した審査請求手数料の全額を返還することといたしました。
(注)特許庁審査官から拒絶理由通知等の最初の通知が到達する前の状況。
② 「資力に乏しい中小企業を対象とした特許料等減免制度」の拡充
「資力に乏しい中小企業を対象とした審査請求手数料の軽減及び特許料(第1年~第3年分)の納付を3年間猶予する制度」について、制度が適用される要件の一つである「設立の日から10年を経過していないこと」を撤廃致しました。
今般の制令改正により、資力に乏しい中小企業については、設立の日に関係なく本制度をご利用頂くことが可能となります。
資力に乏しい法人を対象とした審査請求料の1/2軽減措置及び第1年分から第3年分の特許料の3年間猶予措置の手続に対する要件及び提出書類は以下のとおりです。
減免申請
減免申請をする場合は、軽減を受ける手続き(審査請求)と同時に審査請求料減免申請書又は特許料猶予申請書に加えて、以下の要件に応じた添付書類を提出する必要があります。(添付書類については、申請日に取得し得る最新の書類の提出が必要です。)
以下のからの要件すべての要件に該当する法人等が対象となります。
(ⅰ) 法人の類型に関わらず満たすことが必要な要件及び添付書類
要 件①: 当該発明が職務発明であること。
添付書類 : 職務発明認定書
要 件② : 職務発明を予約承継した使用者等であること。
添付書類: 職務発明についてあらかじめ使用者等に特許を受ける権利を承継させることが定められた契約、勤務規則、その他の定めの写し
(ⅱ) 法人等の類型別に満たすことが必要な要件及び添付書類
用件 | |||
法人の類型 | 資本金3億円以下であること | 法人税が課されていないこと(注1) | 他の法人に支配されていないこと(注2) |
個人事業者(注3) |
(不要) | 事業税納税証明書(写しも可)(注4) | (不要) |
会社(株式会社・持分会社等) | 定款又は法人の登記事項証明書又は前事業年度の貸借対照表 | 法人税確定申告書別表第1の写し又は納税証明書(写しも可) | 法人税確定申告書別表第2の写し又は株主名簿・出資者の名簿 |
協同組合(出資を有する場合) | 法人税確定申告書別表第2の写し又は出資者の名簿 | ||
資本又は出資を有しない法人(財団法人・社団法人等) | 前事業年度の貸借対照表(注5) | (不要) |
(注1) 設立の日の属する事業年度の確定申告書の提出期限が到来していない法人の場合は提出することを要しません。更正通知及び修正通知がある場合にはこれらの書面も含みます。
(注2) 資本又は出資を有しない法人の場合は提出することを要しません。
他の法人に支配されていないこととはア.及びイ.に該当していることを指します。
ア. 申請人以外の単独の法人が株式総数又は出資総額の1/2以上の株式又は出資金を有していないこと。
イ. 申請人以外の複数の法人が株式総数又は出資総額の2/3以上の株式又は出資金を有していないこと。
(注3) 個人事業者が申請者である場合の法人等の申請対象者は従業者等による職務発明を予約承継した個人事業者に限ります。
(注4) 個人事業者の場合は事業税が課されていないこと。
(注5) 資本又は出資を有しない法人の場合については前事業年度末の貸借対照表に計上されている総資産の帳簿価額から当該貸借対照表に計上されている総負債の帳簿価額を控除した金額(当該貸借対照表に、当該事業年度に係る利益の額が計上されているときは、その額を控除した金額とし、当該事業年度に係る欠損金の額が計上されているときは、その額を加算した金額とする)の百分の六十に相当する金額が3億円以下であること。
日本の「早期審査制度」、及び、
韓国の「優先審査制度」の比較
日本の「早期審査制度」、及び、韓国の「優先審査制度」の比較
審査を早くする制度として、日本の「早期審査制度」、及び、韓国の「優先審査制度」を挙げることができます。両制度は、審査を早く受けることができるという点において共通していますが、下記「対象となる特許出願」からわかるように、具体的な内容においては多少相違しています。
なお、韓国の「優先審査の対象」のうち、上記「⑫韓国特許庁長が日本国の特許庁長と優先審査することに合意した特許出願」と関連した各庁における特許審査ハイウェイの申出手続の詳細については、下記“[3] 日韓特許審査ハイウェイについて”から確認することができます。
‘特許審査ハイウェイ’とは、日韓両国に共通に提出された特許出願を優先審査の対象に含める一方、第1国で特許登録された共通出願に対しては優先審査の申請に必要な書類中一部を免除することによって, 簡便な手続きを通じて迅速に審査する制度です。
特許審査ハイウェイが施行されたら、両国出願人は優先審査の申請時、相対国の審査結果を提出することによって、‘本願発明と先行技術との対比説明書’の提出の免除をうけることになって出願に必要な費用と努力を最小限することができます。
2006年11月 30日第17次日韓特許庁長の会談で採択した日韓特許審査ハイウェイに関する合議書によれば、韓国特許庁は2006年 9月特許法施行令の改正と優先審査に関する申請告示の改正とを通じて, “日本に最初に特許出願をした後、同一発明を韓国に特許出願した場合であって、所定の証憑書類を添付した場合”を優先審査の対象に含めており, 2006年10月1日から施行しました。
現在韓国と日本国とは、両国共通特許出願を優先審査または早期審査しております。但し、申請の時に‘先行技術調査結果報告書’, ‘先行技術の写し’及び‘本願発明と先行技術との対比説明書’を提出しなければなりません。
しかし, 特許審査ハイウェイが施行された2007年4月1日からは第1国で特許登録され、両国に出願された特許請求範囲が同一な場合には第1出願国で特許登録された特許請求範囲の写し及び翻訳文, 第1出願国の審査関連の書類一切及び翻訳文を提出すれば, 上記‘本願発明と先行技術との対比説明書’の提出義務が免除されます。
両国制度の具体的な内容
[1] 韓国の「優先審査制度」について
1. 制度概要
優先審査制度とは, 一定な要件を備えた特許出願, ‘06. 10. 1. 以後出願された実用新案登録出願及びデザイン登録出願(以下、”出願”と称する)に対して、審査の請求順位に関係なしに他の出願より優先的に審査してもらえる制度を言います。
優先審査を申請して、かつ、優先審査の対象となる場合には一般出願より優先的に審査を受けることができます。
2.制度の必要性
– 特許に関する審査は、審査請求の順位に従って行われるのが原則である。
– しかし、全ての出願に対して例外なしにこのような原則を適用すれば、公益や出願人の権利を適切に保護できない側面がある。
– これによって, 特許法および実用新案法などでは、一定な要件を満たす出願に対して審査請求順位とは関係なしに他の出願より先審査するようにした優先審査制度を規定している。
– 優先審査制度個は韓国だけでなく、米国、欧州、日本国などにもある。
3.申請要件一般
①優先審査申請人
出願人を含んでだれでも優先審査を申請することができる。但し、国家又は地方自治団体の職務に関する出願に対しては国家又は地方自治団体だけが優先審査を申請することができる。
②審査請求がある出願であること。
優先審査の申出ができる出願は審査請求がされているべきであり、審査請求をしながら同時に優先審査の申出も可能。
· したがって、出願と同時に申請請求及び優先審査申請を同時にすることも可能。
1請求範囲に記載の発明が優先審査の対象であること。
-優先審査を申請した発明(考案を含む。以下、同じ)は請求範囲に記載されているべきであり、発明の詳細な説明のみに記載されており、請求範囲に記載されていない場合には優先審査の対象でない。
– 請求範囲に多数の請求項があり、かつ、その請求項中1つが優先審査の対象として認められる場合には出願全体が優先審査の対象として認められる。
④申請手続きおよび申請書式
– 優先審査の申請人は優先審査申請書に優先審査申請理由を具体的に記載した優先審査申請説明書及び必要な場合書類、品物を添付し特許庁に提出して、優先審査申請料を銀行に納付すべきである。
– ベンチャー企業出願の場合、優先審査申請説明書なしにベンチャー企業確認書の提出だけでもその証明が可能な場合、優先審査申請説明書を添付しないことも可能。
– 出願と同時に審査請求をして、該出願後2ヶ月以内に優先審査の申請がある実用新案登録出願の場合、優先審査申請説明書に優先審査の申請理由を明示すれば別の証憑書類を提出しなくてもよい。
4.優先審査の対象
*上記表をご参照下さい。
[2] 日本の「早期審査制度」について
以下では、A.早期審査・早期審理(特許出願)の運用の概要、B.商標早期審査・早期審理制度の概要、C.意匠早期審査・早期審理制度の概要に分けて、察してみます。
A. 早期審査・早期審理(特許出願)の運用の概要
昭和61年2月より運用が開始された早期審査・早期審理制度は、これまで数次にわたり運用を見直してきましたが、今般、早期審査制度に焦点をあてて、さらなる利便性向上と利用普及を図るため、全体構成の見直し、中小企業等が申請する場合の先行技術調査負担の軽減、大企業との共同出願の場合の先行技術調査の要件見直し、の観点から、ガイドラインを改訂しました。ガイドライン改訂に伴う運用変更(早期審理に関しては今回運用の変更点はございません。)については、平成18年(2006年)7月1日以降に提出される「早期審査に関する事情説明書」に対して適用します。
改訂された早期審査・早期審理ガイドラインの主な変更点は下記のとおりです。
(1)早期審査について
①全体構成の見直し
特に個人・中小企業等の出願人の皆様が自ら「早期審査に関する事情説明書」を作成できるよう、全体の構成を大幅に見直し、わかりやすいものといたしました。特に、申請条件(中小企業等、外国関連出願、実施関連出願)別に説明をすることで全体の流れを把握しやすくするとともに、記載事例を追加し、作成時の参考となるように配慮しました。
②中小企業等が申請する場合の先行技術調査負担の軽減
中小企業等については、先行技術の開示について、必ずしも先行技術調査を行なう必要はなく、早期審査の申請時に知っている文献を記載することで足りるものとしました。
③中小企業等と大企業との共同出願における先行技術調査要件の見直し
大企業との共同出願の場合には、先行技術調査を行なうことを原則とするものの、中小企業においては「特例*」に該当する場合は、②と同様、知っている文献の記載でも足りることとしました。
*「中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律」に基づく認定計画に従って行われる特定研究開発等の成果に係る発明で、かつ、中小企業の権利の持分比率が50%以上の場合。この場合、認定計画における特定研究開発等の実施期間の終了日から起算して2年以内に出願されたものに限ります。
(2)早期審理について
「特許の早期審理の運用の明確化について」(平成17年9月26日特許庁ホームページ掲載。)にて明確化した「審判請求人(代理人)の協力」に関する事項をガイドラインに追加しました。
よって、今回特段運用の変更はございません。
B. 商標早期審査・早期審理制度の概要
平成9年9月1日より、商標登録出願に関する早期審査及び早期審理制度を導入しました。 この制度は、模倣・侵害事件が生じている出願に関する早期処理のニーズ、経済活動のグローバリゼーション化を踏まえて実施するものです。
なお、平成12年1月に商標・審判のオンライン手続きが開始されたことに伴い、早期審査・早期審理の申し出手続の様式等を変更しましたが、さらに、平成14年9月1日に標章の使用の定義を見直す改正商標法が施行されたこと等をふまえて、早期審査・早期審理ガイドラインを改訂することといたしました。
<早期審査制度>
特許庁では、次のような商標登録出願については、所定事項の記載された「早期審査に関する事情説明書」が提出された場合、通常出願に優先してすみやかに審査を開始し、その後も遅滞なく処分が終了するように審査手続を進めます。
1-1.早期審査の対象となる出願
以下の要件を備えた商標登録出願を早期審査の対象とすることができます。
『出願人自身又はライセンシーが、出願商標を指定商品若しくは指定役務(一部の商品若しくは役務を含む。)に使用しているか又は使用の準備を相当程度進めている出願であって、権利化について緊急性を要する出願。』
権利化について緊急性を要する出願とは、以下のいずれかに該当するものとします。
1第三者が許諾なく、出願商標又は出願商標に類似する商標を出願人若しくはライセンシーの使用若しくは使用の準備に係る指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用しているか又は使用の準備を相当程度進めていることが明らかな場合
2出願商標の使用について、第三者から警告を受けている場合
3出願商標について、第三者から使用許諾を求められている場合
4出願商標について、出願人が日本国特許庁以外の特許庁又は政府間機関へも出願している場合
5その他、第三者との関係において権利化について緊急性があると認められる場合
1-2.早期審査の申出手続
早期審査の申出には、「早期審査に関する事情説明書」の提出が必要となります。
2提出者:出願人
②「早期審査に関する事情説明書」の主な記載項目
(a)出願人等の使用状況説明
(b)緊急性を要する状況の説明
なお、平成11年4月以降の申請分より、「先行商標調査」の提出が不要となりました。
③ 手数料:不要
C. 意匠早期審査・早期審理制度の概要
意匠登録出願に関する早期審査・早期審理制度は、昭和62年12月15日に導入されて以来、意匠の早期保護という社会的ニーズに的確に対応すべく運用されてきています。(平成5年1月、平成9年9月一部改正)
「意匠登録出願の早期審査・早期審理のためのガイドライン」は、平成10年の意匠法改正、平成12年1月の意匠オンライン手続の受付開始に伴い、平成12年5月に事情説明書の様式などを一部変更いたしましたが、この度、早期審査・審理申出手続の一層の簡素化を図る目的で既に開始されている事情説明書等における押印廃止の運用と平仄をあわせるとともに、その他必要な修正を加えたガイドライン(平成14年9月改訂版)として再公表することといたしました。
<早期審査制度>
意匠登録出願について所定事項の記載された「早期審査に関する事情説明書」が提出され、選定の結果、早期審査の対象となった案件については、審査官はすみやかに審査を開始し、その後も遅滞なく処分が終了するように審査手続を進めます。
1.早期審査の対象となる出願
(1)権利化について緊急性を要する実施関連出願
出願人自身又は出願人からその出願の意匠について実施許諾を受けた者(ライセンシー)が、その出願の意匠を実施しているか又は実施の準備を相当程度進めている意匠登録出願であって、以下のいずれかに該当し、権利化について緊急性を要するものであること。
1第三者が許諾なく、その出願の意匠若しくはその出願の意匠に類似する意匠を実施しているか又は実施の準備を相当程度進めていることが明らかな場合
2その出願の意匠の実施行為(実施準備行為)について、第三者から警告を受けている場合
3その出願の意匠について、第三者から実施許諾を求められている場合
(2)外国関連出願
出願人がその出願の意匠について日本国特許庁以外の特許庁又は政府間機関へも出願している意匠登録出願であること。
2.早期審査の申出手続
早期審査の申出には、「早期審査に関する事情説明書」の提出が必要となります。
(1)提出者: 出願人
(2)提出時期: 意匠登録出願の日以降いつでも提出可能
(3)提出方法: オンライン又は書面
(4)「早期審査に関する事情説明書」の主な記載項目:
①権利化について緊急性を要する実施関連出願であることを理由として早期審査の適用を受けようとする場合
・実施状況説明
・緊急性を要する状況の説明
・先行意匠調査
②外国関連出願であることを理由として早期審査の適用を受けようとする場合
・日本国特許庁以外の特許庁への出願の表示
・先行意匠調査
(5)手数料: 不要
[3] 日韓特許審査ハイウェイについて
日本国特許庁と韓国特許庁は、平成18年11月の長官会合にて合意したとおり、平成19年4月から特許審査ハイウェイの申出の受付を開始しました。
各庁における申出手続の詳細については、以下の各資料をご参照下さい。
☆ 日本国特許庁(JPO)への日韓特許審査ハイウェイの申出について
1.日本国特許庁への申出方法
日本国特許庁へ日韓特許審査ハイウェイに基づいて早期審査の申請をする場合には、
通常の早期審査の申請と同様に「早期審査・審理ガイドライン」に示される手順に基づいて「早期審査に関する事情説明書」を提出してください。
下記①に列挙する条件を満たしている日本国特許庁への出願の場合、下記②に列挙
する書類を添付することにより、【早期審査に関する事情説明】における「2.先行技術の開示及び対比説明」の記載を省略することができます。
①日本国特許庁への出願が、特許審査ハイウェイに基づく早期審査の申請を認められる条件
a.当該出願(PCT出願の国内移行出願も含む。)が、対応する第1国出願である韓国出願に基づいて正当なパリ条約による優先権を主張している。
※当該出願が、韓国の新実用新案出願(2006年10 月1日施行の、実体審査を経て登録される新実用新案制度の下の出願)を優先の基礎とするものであっても、認められます。また、当該出願が複数の韓国出願を優先権の基礎とするもの、あるいは、当該出願が分割出願であっても、出願日が原出願に遡及しかつ第1庁の優先権を有効に主張するものであれば認められます。
b. 当該出願に対応する韓国出願が、すでに特許可能と判断された請求項を有する。
特許可能との判断が下されたと認められる請求項は、次のものです。
・ 「特許決定書」がある場合、すべての請求項
・ 「特許決定書」がない場合、特許審査ハイウェイの申出の時点で最新の「意見提出通知書」または「拒絶決定書」において特許可能と明示された請求項
※韓国知的財産庁では、2007年1 月1 日より、「意見提出通知書」及び「拒絶決定書」において特許可能な請求項を明示する運用を開始しています。
c. 当該出願の申出時の全ての請求項が、対応する韓国出願の特許可能と判断された請求項のいずれかと実質的に同一である(十分に対応している)。
特許可能と判断された請求項(上記①b.のもの)と実質的に同一であるとは、特許可能と判断された特徴を共に有することをいいます。例えば、記載形式を除き同一である場合や、第1庁の請求項に発明特定事項を付加して限定する場合は、実質的に同一と認められます。
第1庁において、請求項を補正することによって特許可能との判断が下された場合、請求項が実質的に同一であるとされるためには、第2庁においても同様の補正が必要な場合が多いことにご注意ください。
d. 当該出願に関して日本国特許庁において審査の着手がされていない。
②特許審査ハイウェイに基づく早期審査の申請において提出すべき書類
a. 対応する韓国出願に対して韓国審査官から出された全てのオフィス・アクションの写し及びこの翻訳(日本語又は英語)
b. 対応する韓国出願の特許可能との判断を受けた請求項を含む特許請求の範囲の写
し及びこの翻訳(日本語又は英語)
c. 対応する韓国出願のオフィス・アクションにおいて審査官が提示した引用文献
d. 当該出願の現在の各請求項が、対応する韓国出願の特許可能との判断を受けた請
求項に十分に対応していることを示す書面(日本語)。
当該出願の請求項と対応する韓国出願の請求項との関係を示す対応表を提出してく
ださい。そして、クレーム毎に実質的に同一である根拠を記載して下さい。クレームが直訳であるような場合には単に同一である旨を、単なる翻訳上の差異以上の違いがある場合には、そのような差異があっても実質的に同一であることを示す根拠を記載して下さい。
※提出すべき書類の提出を省略できる場合について
[上記a.及びb.について] 審査官が特許庁間のネットワークを通じて入手可能な場合には、提出を省略することができます。具体的には、1999年以降になされた公開済みの韓国出願については、韓国特許庁から日本国特許庁に情報が提供されているため、審査官は基本的に入手可能であり、提出を省略できます(翻訳も不要です)。しかし、出願が未公開であることや、技術的問題の発生等の理由により、審査官が特許庁間のネットワークを通じて入手できなかった場合には、審査官の求めに応じてこれらの書類を提出する必要があります。
[上記c.について] 特許文献であれば、通常日本国特許庁が有していますので提出を省略できます。ただし、日本国特許庁が有していないものの場合には、審査官の求めに応じてこれらの書類を提出する必要があります。また、非特許文献は、提出を省略できません。なお、引用文献に関しては、特許文献であっても非特許文献であっても、翻訳の提出は不要です。
[上記d.について] 提出を省略できる場合はありません。
なお、上記a.~d.の書類について、同時又はすでになされた他の手続きにおいて日本国特許庁に提出されている場合、その書類の写しを援用することにより当該書類の添付の省略が可能です。
上記条件①、②を満たさない場合には、「2.先行技術の開示及び対比説明」の省略が認められないため、早期審査の対象案件とは認められません。その場合には、特許庁より理由を付して出願人(代理人)に連絡いたします。
2.特許審査ハイウェイを利用する場合の「早期審査に関する事情説明書」の記載要領
(1)【早期審査に関する事情説明】の「1.事情」の記載要領
本出願が、韓国知的財産庁への出願をパリ条約に基づく優先権の基礎とする出願であり、特許審査ハイウェイによる早期審査の申請を行う旨、記載して下さい。また、優先の基礎となった韓国出願の出願番号、公報番号又は特許番号を記載して下さい。
※特許可能との判断が示された請求項を有する対応韓国出願が、上記基礎出願と異なる場合(例えば、基礎出願の分割出願である場合等)には、その対応出願の出願番号、公報番号又は特許番号も記載してください。
(2)添付物件または添付を省略する物件の記載要領
上記②に示す提出すべき書類を、物件毎に項目分けして記載して下さい。 省略が可能な書類についても、全ての提出すべき書類を日付などにより特定できる形で添付物件の項目に記載してください。
(3)記入様式について
「早期審査に関する事情説明書」の様式は、オンライン手続と書面手続によって異なり
ますので、記入の際には各記入様式を参考にしてください。
☆ 韓国・日本両国間の審査結果相互活用のための特許審査ハイウェイによる優先審査申請手続き
Ⅰ.文書の目的
この文書は、2007年4月1日から施行される韓国・日本特許審査ハイウェイ(Patent Prosecution Highway、両国間の審査結果相互活用)に立脚して申請人が容易に韓国特許庁に優先審査申請を行うことができるように申請要件、証憑書類(証憑書類の提出省略を含む)、申請方式などを案内するための目的として作成されました。
次のⅡ.の具体的な優先審査申請手続きの中「1.に挙げられる基本要件」を満たす特許出願の場合、申請人は「2.に挙げられる証憑書類」を提出することによって、日本特許庁の審査結果に基づいて優先審査を受けることができます。
Ⅱ.具体的な優先審査の申請手続き
1.優先審査の対象となるための基本要件
(1)第1国特許出願、つまり、有効に出願された日本特許出願を基にしてパリ条約による優先権主張(以下、“条約優先権主張”という)を伴う特許出願でなければならず、下記の特許出願も対象となり得ます。
1)日本特許出願を条約優先権主張の基にするPCT出願であって韓国の国内段階に入った特許出願、
2)多数の日本特許出願を条約優先権主張の基にして複合優先権主張をした特許出願、
3)日本特許出願を条約優先権主張の基にする特許出願の分割出願
※日本の実用新案出願を条約優先権主張の基にする特許出願は対象となり得ません。
(2)該当特許出願に対応する日本特許出願には日本特許庁が特許可能であると判断した請求項がなければならず、ここで、日本特許庁が特許可能であると判断した請求項とは次のような請求項をいいます。
1)「特許査定書」がある場合には特許査定の対象となった請求項、
2)「特許査定書」がない場合には優先審査申請日から最も最近に発付された「拒絶理
由通知書」または「拒絶査定書」で特許可能であると明示された請求項
(3)該当特許出願の全請求項は前記日本特許庁が特許可能であると判断した請求項と実質的に同一でいなければなりません。
ここには、日本特許庁が特許可能であると判断した請求項に出願人が特定の事項を付加して限定した場合も含まれます。なお、単純な翻訳の差異または請求項の記載形式(例.
独立請求項、従属請求項)による差異があるとしても実質的に同一であるものと認められます。
もし、日本特許出願の請求項を補正した結果、日本特許庁において特許可能であるという判断を受けたら、請求項が実質的に同一になるためには韓国の特許出願に対しても同様の内容で補正しなければならないので、この点を特に留意してください。
(4)該当特許出願の審査着手可否は優先審査対象可否と関係がありません。つまり、優先審査申請時に該当特許出願が審査着手されていない場合はもちろん既に審査着手されている場合にも特許審査ハイウェイによって優先審査を申請することができます。
2.優先審査申請に必要な証憑書類
次の(1)、(2)、(3)、(4)に該当する証憑書類を提出しなければなりません。
(1)「日本特許庁が特許可能であると判断した請求項が含まれた特許請求範囲の写し」
及び「韓国語または英語で作成されたその翻訳文」
(2)「該当日本特許出願に対する日本特許庁の審査関連通知書(特許査定書、拒絶理由通知書、拒絶査定書に限る)の写し」及び「韓国語または英語で作成されたその翻訳文」
(3)審査関連通知書で引用した先行技術の写し(引用した先行技術がない場合には除く。)
(4)「特許出願の各請求項」と「日本特許庁が特許可能であると判断した請求項」の対応関係説明表
この対応関係説明表には、各請求項毎に実質的に同一の根拠を記載しなければなりません。例えば、請求項を直訳した場合には単純に同一であるという趣旨を、単純な翻訳上の差異のみある場合にはそのような差異があっても実質的に同一であるということを表す説明内容を記載します。
※重要事項:証憑書類の提出を省略することができる場合
[前記(1)及び(2)と関連して]
審査官が韓国-日本特許庁間に構築されたコンピュータ・ネットワークを通じて(1)
及び(2)に該当する証憑書類を入手することができる場合には、申請人は該当証憑種類の提出を省略することができます。
具体的に、1990年12月以降に出願され公開された日本特許出願に対しては日本特許庁から韓国特許庁に審査経過及び関連書類の日本語原文並びに英語翻訳文情報が提供されているために審査官が基本的に入手することができるので、優先審査申請人は該当証憑書類の提出を省略することができます。
但し、該当日本特許出願が未公開状態である場合には該当種類を必ず提出しなければならず、技術的問題の発生などの理由によって審査官が特許庁間の電算網を通じて前記種類を入手することができない場合には審査官の要求に対応して該当書類を提出しなければなりません。
[前記(3)と関連して]
審査関連通知書で引用した先行技術が特許文献である場合には、ほとんど韓国特許庁が該当特許文献を保有しているため提出を省略することができます。但し、韓国特許庁が保有しておらず審査官が容易に入手することができない場合には、審査官の要求に対応して該当種類を提出しなければなりません。
審査関連通知書で引用した先行技術が非特許文献である場合には提出を省略することができないので、必ず提出しなければなりません。
一方、いかなる場合にも先行技術の翻訳文は提出する必要はありません。
[前記(4)と関連して]
提出を省略することができる場合はないので、必ず提出しなければなりません。
3.優先審査申請説明書の作成及び申請料納付
申請人は、韓国-日本特許審査ハイウェイのため設けられた別途の優先審査申請説明書書式にしたがって申請理由及び提出書類などを記載しなければなりません。添付された優先審査申請説明書書式を通じて具体的な記載事項及び記載要領を確認することができます。
申請人は、優先審査申請の際他の優先審査申請案件と同一の金額(1件当たり167,000ウォン)の優先審査申請料を納付しなければなりません。
4.その他の留意すべき事項
全ての要件が満たされた場合に優先審査対象となり、特許審査ハイウェイの場合には別途の優先審査決定書は通知しません。要件が満たされない場合には書類の補完指示及びこれに応じない場合には最終的に却下決定されます。
優先審査申請の際全ての要件が満たされた場合であっても、審査が着手される前に日本特許庁が特許可能であると判断した請求項と実質的に同一ではない請求項で明細書を補正する場合には、補正された請求項を含む全請求項に対して日本特許庁の審査関連通知書で引用した先行技術との比較説明書を提出しなければなりません。
日・韓 FTA 協商について
日・韓 FTA 協商は、2004年11月6次協商後に膠着状態に陥っており、国境措置, 刑事救済など知識財産の執行強化の方案が関連しています。
両国の立場は、以下のものです。
重要議題 | 日本国の立場 | 韓国の立場 | 備考 |
最恵国(MNF) 待遇 | 別の規定が必要 | 別の規定が必要なし | 追って論議 |
商標出願の類似要否の判断時点 | 登録時基準 | 各国の立法政策 | 追って論議 |
特許英文出願の認定 | 英文出願を認定 | 韓国はPLT及びSPLTが妥結される場合、これらに同時加入する予定であり、この場合、各国の言語で出願が可能であるので、FTAで扱う事項ではない | 追って論議 |
著作権関連の私的複製禁止の強化 | 全般的な禁止 | 商業的目的又は規模でなければ、禁止の例外の認定が必要 | 追って論議 |
植物新品種の保護の強化 | 保護の強化 | 既に国際協約の水準の適切な保護をしているので、日本国の提案の新しい義務及び負担は受け入れることができない | 追って論議 |
国境措置の強化 | 通関保留を特許権など知財権までに拡大 | 過度なTRIPS-plus 国境措置の不可国境措置の貿易障壁化の防止が必要 | 追って論議 |
民·刑事の救済 | 特許権など知財権の侵害罪の非親告罪化 | FTAで扱う事項でなく、各自の法政策的決定に任せる事項である | 追って論議 |
PCT ISA/IPEA 相互指定 | 審査負担が過重されているので、現在受容不可 | FTA協商戦略の観点から続いて提案する予定 | 追って論議 |
知財権の共同委員会の設置 | 続いて共同委員会の必要性の論議 | 続いて共同委員会の必要性の論議 | 追って論議 |
Q&A
特許権侵害関係
Q1.特許権侵害主張が正当である場合にはどう対処しますか?
A:
実施の中止 : 特許権者から警告を受けた者は自己の実施が特許権侵害であると判断されたら、その物品の製造・販売や使用などを即時中止することによって故意責任を免れることができます。
実施権設定又は特許権の承継 : 特許権者から権利の対抗を受けた者はその物品を続いて製造・販売する必要性があると判断されたら、特許権者と打ち合わせをして実施権を設定するか特許権を譲渡してもらった後、その特許発明を実施すべきです。
通常実施権許諾審判請求 : 特許権侵害主張を受けた者は自己の実施発明が特許法第98条で規定した他人の特許権などと利用・抵触関係がある場合には第138条の規定による通常実施権許諾審判による通常実施権を許諾してもらった後、実施することができます。
和解・仲裁 : 特許権侵害主張を受けた者は侵害訴訟が係属中である場合には原告の特許権者と円満に解決することが好ましいものです。
Q2.特許権侵害主張が不当である場合にはどう対処しますか?
A:
特許無効の主張 : 特許権侵害と判断されたが共に特許権の瑕疵も見つかった場合には特許無効審判を請求することができ、当該特許に無効事由がある場合には特許権者にその特許に無効事由があることを具体的な証拠を提示しながら主張をして、無効審決が確定されれば特許権は出願時に遡及して消滅するので、特許権侵害は不成立となります。
権利範囲に属しないという主張 : 権利侵害主張を受けた者が自己の実施発明が特許発明と別個の発明である場合、又は、公知の発明である場合、その実施発明が特許発明の権利範囲に属しないという主張と共に、裁判所に訴訟が係属中である場合にはそのような理由を挙げて抗弁すると共に、専門家(弁理士)の鑑定書を裁判所に提出することができます。また、特許庁に権利範囲確認審判を請求し、その結果を裁判所に提出することができます。
実施権存在の主張 : 実施権が存在する場合、これは正当な実施であって、特許権侵害が成立しないので、これに関する主張し、また、特許発明が特許出願以前から既に実施していた場合には法103条の規定に従って先使用による通常実施権があることを主張すべきです。
Q3.特許権侵害警告を受けた者の対応方法は何ですか?
A:
まず、特許登録原簿を通じて正当な権利者からの警告であるか、特許権移転されたものではないか、特許権が消滅されず有効に存在している権利であるかなどを確認すべきです。
また、その侵害主張が補償金請求権を行使するという内容の警告であるか、あるいは、特許権の侵害に対する警告または訴訟の提起であるかなどを確認し、その侵害の対象になる特許権とその権利の技術的内容(特許請求基準)が何であるかなどを正確に把握する必要があります。侵害主張に関する内容が把握されたら、実施発明が特許発明と同一であるかと、特許発明が出願前に公知されたものであるかと、出願時の技術水準などを関連文献を通じて調査して、関連法律を熟知し特許無効主張をするか、それとも和解するかなど適切な対処方策を講じるべきです。
Q4.特許権侵害要否を、特許審判を通じて確認してもらえる方法はありませんか?
A:
特許権の侵害要否に対する判断は具体的な訴訟の形態であって、民/刑事訴訟を通じて行われます。但し、特許審判の1つとして“権利範囲確認審判”を通じて他人の実施行為が自身の権利範囲に含まれるかの要否を確認してもらえます(特許法第135条)。
権利範囲確認審判は単純に特許権の範囲を確定する審判でなく、特許発明を中心としてどの対象物が積極的にその特許権の権利範囲に属するか、あるいは、消極的にそれに属していないということを確認する審判を言います。
権利範囲確認審判の種類には1) 積極的な権利範囲確認審判 : 特許権者が非権利者の“確認対象発明”の実施者を相対として請求し、それ故、審判請求の趣旨は『“確認対象発明”が特許発明の権利範囲に属する』という審決を求めることと、2) 消極的な権利範囲確認審判 : 非権利者の“確認対象発明”の実施者が特許権者を相対として請求し、それ故、審判請求の趣旨は『“確認対象発明”が特許発明の権利範囲に属していない』という審決を求めることとがあります。
Q5.特許権侵害者に対して刑事的に処罰するためにはかならず告訴の手続きを取るべきですか?
A:
特許権または専用実施権が故意に侵害された場合、特許権者はその侵害者に対して刑事的に侵害責任を追及することができます。特許権侵害罪は特許権者の告訴があるべき親告罪であり(特許法第225条),告訴期間は犯人を知った日から6ヶ月以内であるべきです(刑事訴訟法第230条)。
特許権侵害者に対して7年以下の懲役又は1億円以下の罰金に処し(特許法第225条), 法人の代表者、法人又は個人の代理人、使用人その他の従業員がその法人又は個人の業務に関して侵害罪を起こした場合には該当法人又は個人に対しても一定な罰金型を科します(特許法第230条)。また、侵害行為を組成した物またはその侵害行為により生じた物は、これを没収し、または侵害者の請求によりその物を被害者に交付すべきことを宣告しなければなりません(特許法第231条)。
Q6.特許権侵害による損害賠償請求の要件は何ですか?
A:
特許権侵害に対する損害賠償請求の要件は一般的な損害賠償請求訴訟におけるものと同一です。まず、侵害者の違法行為が存在すべきであり、侵害者が自身の行為が特許権の侵害になることがわかる(故意)か、又は、相当な注意を怠けて知らず(過失)、侵害行為により損害が発生すべきです。特許法では特許発明が特許公報などを通じて一般に公示される点を理由として侵害者の過失を推定して(特許法第130条)、損害額の計算においても販売数量により損害額を推定するようにしています(特許法第128条)。
Q7.特許権の通常実施権者も特許権が侵害された場合、権利侵害の主張をすることができますか?
A:
特許権者又は専用実施権者は自己の権利を侵害した者または侵害する恐れがある者に対して、その侵害の禁止を請求することができます(特許法第126条)。また、故意又は過失により自己の特許権または専用実施権を侵害した者に対しては損害賠償を請求することができます(特許法第128条)。したがって、通常実施権者は直接法的救済措置を請求することができず、特許権者又は専用実施権者が請求人にならなければなりません。
Q8.特許権者は自己の特許発明を業として実施していない場合特許権を侵害した者に対して権利を行使することができますか? また、侵害時救済手段は何ですか?
A:
設定登録された特許権は独店排他権を有しているので、特許権者がその特許発明を実施していない場合であっても権利行使が可能です。特許侵害時その侵害に対する法的救済手段としては(1)民事的救済手段として侵害禁止請求権、損害賠償請求権、信用回復請求権、及び、不当利得返還請求権を行使することができます (2)刑事的救済手段としては特許権を「故意」に侵害した場合、特許権者は「告訴」し侵害罪を追窮することができ、法人の場合には「侵害者(従業員)」及び「法人(使用者)等」に両罰規定が適用され、侵害者に7年以下の懲役又は1億ウォン以下の罰金を科します。
Q9.第3者が特許発明を侵害していますので、警告状を送ろうとしています該警告状を送る方法及び手続きは何ですか?
A:
警告状は弁理士を通じなくても権利者又は出願人が直接無断侵害者に送ることができ、警告状を送る目的は特許出願又は登録された特許発明であることを相手に知らせて補償金を請求するか、あるいは、損害賠償などを請求できる根拠を備えるためのものです。
したがって、他人の行為が自身の権利を侵害していることと権利侵害に従う救済措置の請求が可能であることとを主張して、特許出願又は登録された特許発明であることを証明する書類(公開又は登録公報、特許証など)を添付して郵便局の内容証明郵便などで送付することが普通です。
国際出願に関するQ&A
Q1: 国内段階へ移行した後、国際出願を取り下げることができますか?
A:
国内段階へ移行した後、国際出願を取り下げることができますが、国際出願が取り下げられても国内段階へ移行した出願の件は別に進行されますので、国内段階が遂行された場合、国内段階へ移行された出願の件を取り下げるためには各指定国毎に国内法に従って取り下げの手続きを踏むべきです。
Q2: 出願人が国際予備審査請求又は選択国の選択を取り下げるためにはどうすべきですか?
A:
出願人は優先日から30ヶ月が満了される前に国際事務局に取り下げの通知をすることができます。国際予備審査機関に取下げ書(韓国特許法施行規則別紙第49号書式)が提出された場合、国際予備審査機関は通知書の受領日を表示して、早速その通知書を国際事務局に送付します。通知書に記載の受付日に国際事務局に提出されたと見なされます。
Q3: 出願人は明細書などをいつでも補正することができますか?
A:
国際調査段階における補正は国際調査報告書の送付日から2ヶ月又は優先日から 16ヶ月のうち、遅く満了する日までに請求の範囲に限って補正が可能です(条約第19条, 但し請求項のみ可能, 国際事務局に1回に限って提出)。
国際予備審査段階では国際予備審査を請求する時から国際予備審査報告書の作成を開始する前までに可能です(条約第34条, 明細書, 請求範囲、図面など国際予備審査機関に回数に制限なしに提出可能)。
Q4: 国際公開用翻訳文の提出の期間までに提出できなかった場合、補正の手続きはどうなりますか?
A:
提出期間(優先日から14ヶ月以内)内に翻訳文を提出しない場合には国際公開用翻訳文の提出および加算料の納付が要求されます。
優先日から16ヶ月以内に国際公開用翻訳文を作成し提出した後に付与された受付番号で翌日までに加算料(国際出願料の25%)を納付しなければなりません。
Q5: PCT 国際出願を早期公開するためにはどうすべきですか?
A:
PCT 国際出願は優先日から18ヶ月経過の直後にWIPO国際事務局により公開されます。これを早期公開するためには出願人が直接国際事務局に早期公開の申し込みをしなければならず、また、手数料を払うべきです。
早期公開の申し込みを受けたら、WIPO国際事務局が国際出願書類及び国際調査報告書をパンフレットの形態として電子的に公開して、公開された事実を出願人及び各指定官庁に送付します。
Q6: 国際出願の時に選択する国際出願言語は何ですか?
A:
国際出願言語は受理官庁が決めます。
韓国特許庁が受理する国際出願言語は、国際出願書:英語又は日本語であり、明細書:韓国語, 英語, 日本語です。
Q7: 国際出願費用に関する減免または支援制度がありますか?
A:
韓国特許庁では、PCT電子出願時、国際出願料の一部を減免して貰えます。
– PCT-SAFE Easy Mode による国際出願に対しては、基本料のうち、100CHFが減免されます(2006. 7月73,000ウォン)
– PCT-SAFE Full Electronic による国際出願に対しては、基本料のうち、300CHFが減免されます(2006. 7月220,000ウォン)
Q8: 国際調査用翻訳文の提出方法はどうなっていますか?
A:
国際出願の受付日から 1ヶ月以内に国際調査用翻訳文の提出書に翻訳文を添付し提出すべきであり、提出期間内に翻訳文を提出しない場合、国際出願の翻訳文の提出および加算料の納付要求を受けることになり、通知日から1月内又は国際出願の受付日から2月のうち、遅く満了される日までに提出しなければなりません。
未提出の場合には国際出願の取り下げとして見なされます。
Q9: 条約第19条の規定による補正は明細書または図面に対しても可能ですか?
A:
そうではありません。 条約第19条の規定による補正は請求の範囲のみに対して可能であり、明細書または図面に対しては補正することができません。また、国際事務局に1回に限って提出することができます。
Q10: 条約第19条の規定による補正は新規事項を含むことができますか?
A:
補正は最初に国際出願をした時の国際出願に記載の範囲内であるべき、新規事項を含むことができません。
Q11: 出願人は国際調査報告書をどう活用すべきですか?
A:
出願人は国際調査報告書に引用された先行技術を参考した上で, 国際出願の取り下げの要否及び国際出願の補正の要否を決めることができます。
国際出願を補正する方法には国際調査報告書を受領した後、国際事務局に直接補正書(19条補正)を提出する方法、及び、国際予備審査を請求する場合には国際予備審査機関に補正書(34条補正)を提出する方法があります。
Q12: 国際予備審査に対する補正は何時までに可能ですか? また、補正書はどこに提出すべきですか?
A:
PCT 国際段階の補正にはPCT 第19条補正とPCT第34条補正とがあります。 第19条補正は国際調査報告書を受領した出願人が請求の範囲に限って補正をすることであり、第34条補正は国際予備審査を請求した出願人が国際予備審査報告書の作成前に明細書,請求の範囲, 図面に対して補正をすることです。補正は最初に国際出願をした時の国際出願に記載された範囲内であるべきです。
出願人は国際予備審査段階で国際予備審査請求書と共に補正書を提出することもができ、その後補正書を提出することもできます。単に, 国際予備審査報告書に補正された内容が反映されるためには国際予備審査機関が国際予備審査報告書の作成を開始する前までに補正書を国際予備審査機関に提出すべきです。国際予備審査報告書の作成の開始以後に補正書または意見提出書を提出した場合には国際予備審査報告書に考慮されません。
補正書には補正により既に提出したものと異なることになる全てのページに対する代替用紙を提出すべきであり、代替用紙と代替される用紙との相違点について注意を喚起する内容の書簡を共に提出しなければなりません。補正書や書簡は国際出願が国際公開言語で作成された場合にはその言語に, 国際公開言語ではない言語として作成された場合にはその国際出願の公開言語として作成されるべきです。
韓国を国際予備審査機関として選択した場合、補正(補完,訂正申請)書(別紙第39号書式)を作成して直接国際予備審査機関に提出すればよいです。
Q13: 条約第34条の規定による補正は新規事項を含むことができますか?
A:
出願人は、最初の出願書に記載の国際出願の範囲を超えて補正することができません。国際予備審査機関は補正書に新規事項が含まれた場合、その趣旨を見解書又は国際予備審査報告書に記載して、補正がないものとして看做して国際予備審査報告書を作成します。
Q14: 国際予備審査機関の見解書の受領後、出願人の対応方法は何でしょうか?
A:
出願人は国際予備審査機関から見解書を受領した場合には34条補正(国際予備審査段階における明細書などの補正) 又は意見提出書を提出し対応することができます。もし、出願人が見解書に対して全く措置を取らない場合、国際予備審査報告書は否定的に作成されます。
Q15: 国際調査機関の見解書を受領した後、出願人の対応方法及び見解書の内容に対する出願人との意見交換の機会がありますか?
A:
国際出願人の対応方法に関する明文の規定はありませんが、非公式の意見の提出は可能です。
見解書の内容について出願人との意見交換の機会はありません。
韓国の商標制度に関するQ&A
Q1:商標とは何ですか? また、商標と類似しているものにはどのようなものがありますか?
A:
商標(Trade Mark)とは、商品を生産、加工、証明または販売することを業として営む者が自分の業務に係わる商品を他人の商品と識別されるようにするために使う記号、文字、図形、立体的形象、色彩、ホログラム、動作またはこれらを結合したもの若しくはその他に視覚的で認識することができるものを言います(韓国商標法第2条第1項第1号)。
記号商標、文字商標、図形商標とこれらの結合商標、色彩商標や立体商標のように視覚的に認識されることができる大部分の物は商標として認められますが、音商標、におい商標、味商標などのように聴覚・嗅覚・味覚でしか知覚することができない商標は韓国商標法上登録を受けることができません。
自分の商品と他人の商品を識別するために使われない標章は商標ではないので、商品に使われたものと言ってもそれが単純に商品の美感を起こさせるために使われたデザインや、自他商品の識別とは無関係な価格表示などは商標法上商標ではありません。
広義の商標概念としては商標の外にサービスマーク、団体標章(地理的表示団体標章)、業務標章を含みます。
Q2:サービスマークとは何でしょうか?
A:
「サービスマーク」とは、サービス業(広告業、銀行業、飲食業などの役務の提供業務)を営む者が自分のサービス業を他人のサービス業と識別するために使う標章で広義の商標概念に含まれます。 すなわち、商標は “商品”の識別標識であり、サービスマークは “サービス業(役務)”の識別標識であると言えます(韓国商標法第2条第1項第2号)。
事業者(会社)の商号またはロゴ(図形)は商標法上の商標またはサービスマークとして登録が可能です。 したがって、製造業を始めるとする1次、2次産業に属すれば指定商品を決めて商号を商標として出願して登録を受けて使用することができます。また、会社がサービス業を営めんでいる場合には、自分のサービス業を他人のサービス業と識別されるようにするために、サービスマークとして出願して登録を受けて使わなければなりません。商号とマークとをそれぞれ使用しようとすれば出願もそれぞれしなければならず、 商号とマークとを結合して一つのサービスマークとして出願することも可能です。
Q3:業務標章とは何ですか?
A:
「業務標章」とは、大韓赤十字社などのように営利を目的にしない業務を営む者がその業務を現わすために使う標章(記号、文字、図形など)を言います(韓国商標法第2条第1項第4号)。例:韓国消費者保護院、YMCA、ロータリークラブ
業務標章登録を受けようとすればその業務の経営事実を立証する書面(例 : 法人の場合には‘定款’)を添付した“商標登録の出願書(業務標章の見本付着)”を特許庁長に提出しなければなりません。
Q4:団体標章とは何ですか?
A:
「団体標章」とは、商品を生産・製造・加工・証明または販売することなどを業として営む者やサービス業を営む者が共同で設立した法人が直接使うとかその監督下にある所属団体員が自分の営業に関する商品またはサービス業に使うようにするための標章を言います(韓国商標法第2条第1項第3号)。
Q5:団体の名称を登録する方法を説明してください (団体標章、業務標章)
A:
団体の名称を登録したい場合には団体標章と業務標章で登録することができます。
団体標章や業務標章を登録しようとする場合にも商標出願書を利用して [権利の区分]欄に“団体標章” または “業務標章”で記載すれば足ります。
団体標章は商標またはサービスマークの場合と同じく韓国商標法の施行規則 [別表1]の “商品類の区分” 及び [別表2]の “サービス業類の区分”上の類を指定すれば足ります。また、業務標章は商標やサービスマークとは異なり業種別で分類されていませんので(指定類なし)、使用しようとする営利を目的にしない業務範囲を指定すれば足ります。
Q6:商標と商号とはどう違うのでしょうか? 商号も商標として登録を受けることができますか?
A:
商標は、自他商品を識別するために商品に付して標章として商品の同一性を表示する機能を持つのに対し、商号は、商人(法人・個人)が営業上自分を表示する名称として営業の同一性を表示する機能があります。そして、商標は商標法による保護を、 商号は商法による保護を受けます。 ただ、自分の商号を商標でも使おうとする場合、それが商標登録要件を具備する場合には商標登録を受けることができます。 しかし、社会に広く知られた他人の商号を自分の商標として出願して登録を受けることはできません(韓国商標法第7条第1項第6号)。
Q7:ドメインを商標(商号)として登録を受けることができますか?
A:
商標は自他商品を識別するために商品に附着する標章であり、ドメインネームは、インターネット上ホストコンピューターの住所にあたる数字になった住所(IP Address)にあたるアルファベット及び数字の一連の結合を意味します。
ドメインネームも商標の構成要素である英文字、数字、一部特殊記号で構成されていますので、商標法上の登録要件を満たす場合には商標として登録することができます。しかし、特定された商品または業種なしに、そのままドメインネームを商標登録することはできません。
韓国商標法は、第6条、第7条などで商標として登録されることができないさまざまな事由を規定していますので、商標として登録されるためにはこれらの規定に抵触してはならず、特に www.○○.comの形態を持ったドメインネームの場合 “www”や “.com” などは誰も使うことができるドメインネームの住所を現わす部分なので、この部分は商標審査時に考慮されず、残り部分(○○)によって商標の登録可否が決まるでしょう。
Q8:韓国で商標登録を受ければ外国でも效力がありますか?
A:
商標登録は登録を受けた国でのみ效力があります。 したがって、他の国(北朝鮮を含む)で保護を受けようとすれば、その国の法律による別途の登録を受けなければなりません。
Q9:1商標 1出願主義とは何ですか?
A:
商標登録出願は、韓国の産業資源部令が定める商品類の区分内で商標を使う 1 または 2個以上の商品を指定して商標ごとに出願しなければならず、これを 1商標 1出願主義の原則と言い、一つの出願書に同時に 2以上の商標を出願することは認められないことを意味します。 2以上の商標を出願するためにはそれぞれ別に商標登録出願をしなければなりません(韓国商標法第10条)。
1商標 1出願主義の原則は、新規商標登録出願、指定商品の追加登録出願、商標権の存続期間の更新登録出願に適用される基本原則です。
‘97 改訂韓国商標法’によって 98. 3. 1から 1商標 1区分1出願主義の制度を廃止し、1商標多区分1出願主義を採択したことにより、商標ごとに出願しながら商標とサービス業を同時に指定して出願することもできるようになりました。
Q10:既存の登録商標と類似する商標も登録することができますか?
A:
他人の登録商標(またはサービスマーク)と同一または類似の商標をその指定商品(またはサービス業)と同一または類似の商品に使う商標は商標登録を受けることはできません(韓国商標法第7条第1項第7号)。
ただ、既登録商標の商標権者と、類似する商標の出願人とが同一人であれば、同一または類似の商品に登録を受けることができます。 しかし、他人の登録商標(またはサービスマーク)と同一/類似しているとしても、‘指定商品または指定サービス業’が、その登録商標(またはサービスマーク)の指定商品(または指定サービス業)と類似していない場合には商標登録が認められます。
Q11:業務標章から団体標章への変更出願は可能でしょうか?
A:
変更出願は、商標、サービスマーク、団体標章相互間にだけ認められるので、団体標章 ⇔ 業務標章登録出願相互間の出願変更はできません(韓国商標法第19条第5項)。 変更出願は、最初に出願した時に出願したことと看做すことによって原出願日を基準で審査され、その原出願の登録可否の決定または審決が確定される前まで出願しなければなりません(韓国商標法第19条第3項)。
Q12:商標権更新登録をするためにはどうすれば良いですか?
A:
商標権更新登録手続き
– 商標権の更新登録のためには商標権存続期間満了前1年以内に更新登録出願書を作成して提出しなければなりません。 ただ、この期間内に更新出願をしない場合には存続期間満了後 6月以内に存続期間の更新登録出願をすることができます(韓国商標法第43条)。
– 商標更新登録出願書を提出する場合、出願人の出願人コード上の人的情報が登録原簿上の登録権者の人的事項記載内容と異なっている場合には、韓国商標法施行規則上の“登録名義人表示変更(更正)登録申込書”を提出して登録名義人表示変更または更正手続きを行わなければなりません。 つまり、出願人コード上の人的情報と一致しない場合には “出願人情報変更(更正) 申告書”を提出して情報を一致するように変更(更正)しなければなりません。
商標権更新登録出願料
– 書面で提出時の手数料は、1商品区分ごとに 66,000ウォン(オンライン 56,000ウォン)であり、商標権の存続期間満了後に更新登録出願料を追加納付する場合には書面で提出時に1商品区分ごとに 95,000ウォン(オンライン 85,000ウォン)です。
※ 2001. 7. 1 以後から施行された改正韓国商標法では、旧法の下で登録された商標を更新出願する時には、必ず国際商品分類に書き替えて出願するように強制した規定を廃止し、韓国分類によっても更新することができるようになりました。 また、上記改正法では、商標権存続期間満了日前 1年と存続期間満了日後 6月の間に商品区分を書き替えることができる“商品区分の転換(書換)登録制度”を新設しました。 よって、韓国分類に更新登録出願しながら書換をしない場合、次期存続期間満了日に商標権が消滅することに注意しなければなりません。そのため、次期存続期間の更新を希望する場合、必ず期間内に商品区分転換(書換)登録申し込みをしなければなりません。
Q13:存続期間の更新の登録出願と同時に商品区分の転換(書換)登録をする場合、存続期間の更新の登録出願に対する審査を先にした後に、商品区分の転換(書換)登録申込みの審査が行われるのでしょうか?
A:
存続期間の更新の登録出願と同時に商品区分の転換(書換)登録をする場合、現行韓国審査実務では存続期間の更新の登録出願に対する審査を先にした後に、商品区分の転換(書換)登録申込みについての審査を行います。
Q14:指定商品の追加登録出願の方法を説明してください。
A:
商標で使う商品の指定
– 商標登録出願をする場合には、保護を受けようとする商標と韓国の産業資源部令で定める商品の区分内で、その商標を使う商品を1つ又は複数の商品を指定しなければなりません(韓国商標法第47条)。
– 韓国商標法の施行規則の別表では第1類から第34類まで34個類の商品の区分と第35類から第45類まで11類のサービス業類の区分が明示されています。
韓国の場合、98. 3. 1 から標章の登録のための商品及びサービス業の国際分類に関する NICE協定で決める国際商品分類(NICE分類)を採用しています。
指定商品の追加登録出願
– 商標登録出願人は、商標登録出願の時に1個または 2個以上の商品を同時に指定することができますが、商標登録出願後または商標登録後に指定商品を追加する必要がある場合、改めて指定商品を追加するための出願を行うことができます。
※ 98. 3. 1から施行された‘多区分1出願制度’によって追加登録対象は同一の商品区分内だけでなく、他の商品区分についても追加することが可能となり、商品ごとに分割して出願及び登録することが可能です。
a. 指定商品の追加登録方法
– 商標登録出願書に「指定商品の追加登録出願」と記載(選択)して提出
b. 指定商品の追加登録手数料
指定商品の追加登録出願料は書面で提出する場合、1商品類の区分ごとに 66,000ウォン(オンライン提出の時に56,000ウォン)であり、指定商品の追加登録出願の登録料は1商品類の区分ごとに 211,000ウォン(書面, オンライン提出時の登録料が同一)です(韓国特許料などの取り立て規則第5条)。
Q15:先願主義とは何ですか?
A:
先願主義とは、商標出願日を基準に先に出願した者だけが商標登録を受けることができるようにすることであり、韓国商標法“第8条第1項”では “同一または類似の商品に使う同一または類似の商標に関して他の日に2以上の商標登録出願人がいる時には先に出願した者だけがその商標に関して商標登録を受けることができる。”と規定されています(韓国商標法第8条第1項)。
同日付に2以上の商標登録出願がある場合には出願人間の協議によって決まった出願人だけが登録を受けることができ、協議が成り立たないとか協議が不可能な場合には、特許庁長が抽選によって商標登録を受けることができる出願人を決めます。韓国特許法やデザイン保護法とは異なり、抽選によって一の出願人に登録を受けるようにした理由は、放棄または拒絶査定になった出願には先願の地位が認められないため、競合する出願の両方を拒絶すれば、両出願の後願についての第3者たる出願人が登録を受けるようになるという矛盾が生ずるためです。
Q16:商標出願の時に優先権主張ができますか?
A:
商標法には国内優先権主張制度がなく、条約(パリ条約等)による優先権主張のみをできます。 商標法上条約による優先権制度(韓国商標法第20条)とは、条約によって韓国に対して商標登録出願に対する優先権を認める当事国国民がその当事国または他の国家(第1国)に商標登録出願(以下 ‘先出願’)をした後、同一の商標を韓国(第2国)に商標登録出願(以下 ‘後出願’)して優先権を主張する場合, 後出願に対して商標法上の一定法規(第8条先出願)の適用時点を先出願日として看做す制度を言い、この原則は上の条約当事国に韓国の国民が先出願をして同一商標を韓国に後出願して優先権を主張する場合にも同様に適用されます(韓国商標法第20条第1項)。
優先権を主張しようとする者は、優先権主張の基礎になる最初の出願日から 6月以内に出願しなければこれを主張することができず、優先権を主張しようとする者は、商標登録出願の時に商標登録出願書にその趣旨及び最初に出願した国名及び出願の年月日を記載しなければなりません。
優先権を主張した者は、最初に出願した国家の政府が認める商標登録出願の年月日を記載した書面と商標及び指定商品の謄本を商標登録出願日から 3月以内に特許庁長に提出しなければならず、期間内に上記書類を提出しない場合にはその優先権主張は效力を喪失します。
Q17:ホログラムや動作商標も商標出願が可能でしょうか?
A:
2007年 7月 1日からホログラム商標、動作商標、色彩だけで構成された商標も韓国商標法の保護対象に含まれます。(韓国商標法第2条第1項第1号)
Q18:商品分類の転換(書換)登録期間内に申し込みをしなかった場合、どうなるのでしょうか?
A:
商品区分の転換(書換)登録申込み期間の終了日後の次期存続期間満了日の翌日に商標権は消滅します。
商品区分の転換(書換)登録申込書に一部の指定商品のみ記載した場合、記載しなかった指定商品は転換(書換)登録された日に消滅します。 ただ、商品区分の転換(書換)登録が商標権の存続期間の満了日以前に認められた場合、商標権の存続期間の満了日の翌日に消滅します。(韓国商標法第6条の2)