目次
中日制度比較
当特許事務所では中国及び日本国への知的財産の申請・権利保護の懸橋として、皆様方の多様なご要望等に迅速かつ適切に応えることができるように、知的財産の中国支援室を開設しました。
本中国支援室は、中国知的財産権に係る皆様方のご要望、ご質問、及び/又はご相談等に迅速かつ適切に応えることを第一に考え、高品質な種々のサービスを提供し、これまで以上に皆様方のお役に立つことを目指しております。
現在、中国弁理士を含む中国人専門スタッフが中国支援室に配属され、適宜日本人のスタッフと連携を取りながら、中国の皆様の日本国における知的財産権取得等の業務をサポートできる体制、並びに日本国の皆様の中国における知的財産権の取得等の業務をサポートできる体制を確立しております。
中国及び日本国の知的財産権に関し、ご要望、ご質問、及び/又はご相談等ございましたら、ご遠慮なく、弊所の中国支援室までコンタクトを取ってくださるよう、お願い申し上げます。中国支援室スタッフ一同、迅速且つ適切に、対応させていただきます。
中国支援室 室長 孫 欧
日本特許制度概要
日本知的財産権の種類は:
(1)特許(2)実用新案(3)意匠 (4)商標 (5)著作である。なお,(1)~(4)は、工業所有権という。
知的財産権の期限
特 許: 出願日から二十年。
実用新案: 出願日から十年。
意 匠: 登録日から二十年。
商 標: 登録日から十年,五年或いは十年の更新可能。
知的財産権の審査
(1)特許:出願日から1年6月后経過後、出願の内容を公開,また、出願日から三年以内に審査請求しなければならない、三年以内に審査請求が無い場合には、取り下げたものとみなされる。
(2)実用新案:新規性、進歩性などの実体審査が行われず、登録を受けるために必要とされる一定の要件(基礎的用件)を満たしていることのみを判断して権利付与を行い、早期登録制度を採用し、出願から2~3月に登録可能。
(3)意匠:方式審査する際,申請の内容を公開せず、設定登録後に公報に公開する。
申請する際の必要される書類
特許:明細書、特許請求の範囲、要約書、或図面(先に英文を提出することが可能である。ただし、先の出願から1年2ヶ月以内に日本語の翻訳文を提出する必要がある)及び日本語の願書。
実用新案:明細書、請求の範囲、要約書、或図面及日本語の願書。
意匠:明細書及図面,日本語の願書。
商標:商標、指定商品。ただし、継続して三年以上使用しない場合、取り消されることもある。
また、外国の方は、申請する際に以下の情報が必要である。例えば、中国の方の場合、委託書に申請人の氏名(名称)及び住所(中英文)、発明者の氏名及び住所(中英文)、申請する知的財産権の種類、申請の国、中国での出願日及番号、中国での申請する知的財産権の種類、優先権の主張、申請すると共に実体審査の請求などの内容を記載する。
日中特許制度の比較
日中特許制度の比較
日本では、1885年に『専売特許条例』が公布、施行され、特許制度が誕生した。現行法の基礎である『特許法』は1899年に施行され、今日までに合わせて十数回の改正が行われてきた。日本の特許制度と中国の専利制度は、類似したものが多く見られるが、相違するところも幾つか存在している。中国の専利制度と比較しながら、日本の特許制度を大まかに紹介する。
特許法による保護の対象
日本:発明のみ(実用新案は『実用新案法』、意匠は『意匠法』により保護)
中国:発明のほか、実用新案や意匠も『専利法』によって保護。
在外者の特許管理人
日本:在外者が特許庁へ特許出願及び他の関連手続をするときは、日本国内に住所または居所を持つ特許管理人を通じて行なわなければならない。
中国:在外者が中国国内において特許出願及び他の関連手続をするときは、国務院専利行政部門が指定した専利代理機構を通じて行なわなければならない。
新規性喪失の例外
日本:
(1)特許を受ける権利を有する者による試験
(2)特許を受ける権利を有する者による刊行物での発表
(3)特許を受ける権利を有する者による、電気通信回線を通じた発表
(4)特許を受ける権利を有する者による、特許庁長官が指定する学術団体が開催する研究集会での発表
(5)特許を受ける権利を有する者による、一定の博覧会での発表
(6)特許を受ける権利を有する者の意に反する公知
中国:
(1)中国政府が主催する又は認める国際展示会における初めての展示
(2)規定の学術会議或いは技術会議上における初めての発表
(3)権利者の同意を得ない第三者による公開
特許権付与できない発明
日本:
(1)公の秩序、善良の風俗又は公衆の衛生を害するおそれがある発明
(2)人間に対する手術、治療、診断方法
(3)単なる発見
(4)自然法則に反するもの
(5)自然法則を利用しないもの
中国:
(1)国の法律、社会の公徳に違反し、若しくは公共利益を害する発明創造
(2)科学的発見。
(3)知的活動規則及び方法。
(4)病気の診断及び治療方法
(5)動物及び植物の品種
(6)原子核変換の方法により取得した物質
ビジネスモデルの特許性
日本:ビジネスモデルの特許性を認める。
中国:ビジネスモデルの特許性を認めない。
プログラム及びプログラムを記録した記録媒体の特許性
日本:その特許性を認める。
中国:その特許性を認めない。
職務発明
日本:特許を受ける権利は発明者に帰属する。発明者が所属する使用者は、発明者又はその承継者が職務発明について取得した特許権について、無償で通常実施権を有する。
中国:特許を受ける権利は発明者が所属する使用者に帰属する。但し、所属する使用者の物質的技術的条件を利用して完成された発明の場合、発明者と使用者間が特許出願の権利及び特許権の帰属について契約を以って約定したときは、その約定に従う。
特許存続期間
日本:特許出願日から20年。但し、5年を限度として、延長登録の出願により延長可能。
中国:特許出願日から20年(発明専利の場合)。
訂正審判手続
日本:特許権者は、特許請求の範囲の減縮、誤記又は誤訳の訂正、明瞭でない記載の釈明について訂正審判を請求することができる。
中国:特許権者は、特許請求の範囲の減縮について無効審判を請求することができる。
実用新案登録出願から特許出願への変更
日本:実用新案登録出願人は、出願した日から三年以内にその実用新案登録出願を特許出願に変更することができる。
中国:先願の発明専利出願に基づいて、同じテーマの新たな発明専利出願又は実用新案専利出願をすることができる。また、先願の実用新案専利出願に基づいて、同じテーマの新たな発明専利出願又は実用新案専利出願をすることができる。
実用新案登録に基づく特許出願
日本:実用新案権者は、実用新案登録を出願した日から三年以内に自己の実用新案登録に基づいて特許出願をすることができる。この場合においては、その実用新案権を放棄しなければならない。
中国:登録後の発明専利又は実用新案専利に基づく新たな専利出願をすることができない。
拒絶査定不服審判およびその審決に対する訴え
(一)審判請求期間
日本:三十日(拒絶査定謄本の送達日から)、但し、法定事由による期間延長可能。
中国:三ヶ月(拒絶査定謄本の送達日から)。
(二)審決に対する訴え
(1)提訴期間
日本:三十日(審決謄本の送達日から)、但し、審判長が職権によって附加期間を決定できる。
中国:三ヶ月(審決謄本の送達日から)
(2)専属管轄
日本:東京高等裁判所(北京市高級人民法院に相当する)
中国:北京市第一中級人民法院
特許無効審判の審決に対する訴え
(一)提訴期間
日本:三十日(審決謄本の送達日から)、但し、審判長が職権によって付加期間を決定できる。
中国:三ヶ月(審決謄本の送達日から)
(二)専属管轄
日本:東京高等裁判所
中国:北京市第一中級人民法院
(三)被告適格
日本:無効審判の請求人又は被請求人
中国:国家知識産権局専利審判委員会
知的財産権紛争の解決ルート
日本:仲裁を考慮しない場合、司法ルート。地方裁判所、高等裁判所、最高裁判所がある。三審制が採用されている。
中国:行政ルートと司法ルート。基層人民法院、中級人民法院、高級人民法院、最高人民法院がある。二審制が採用されている。専利権(特許権、実用新案権、意匠権)の侵害事件があった場合、高度な技術の知識が必要するため、中級人民法院が第一審に限定する。商標権侵害事件は、第一審の人民法院は、中級人民法院が第一審に限定しない。
中国-PCT-PPH申請要件の緩和
中国知識産権局(SIPO)へのPCT-PPH申請手順について、従来、「PCT-PPH申請の基礎となるWO/ISA、WO/IPEAまたはIPERの第VIII欄に何らかの見解が示された場合、当該申請はPPH試験的運用に適用されない」と規定されていたが、規則の改定(要件緩和)に伴い、第VIII欄に何らかの見解があっても、下記の何れかに該当する場合にはSIPOへのPCT-PPH申請が可能となる(2017年7月から運用開始)。
(1)第VIII欄の見解が、SIPOへのPPH申請に対応するクレームに関しないものである。
(2)第VIII欄の見解が、単に明細書や添付図面に存在する不備に関するものである。
上記(1)、(2)に対し、他のPPH申請適格要件を満たす前提において出願人はSIPOへのPPH申請を行うことができる。なお、申請様式のE欄の第3項(特別事項の説明)に、第VIII欄に関するPPH申請の理由を簡潔に記載する必要がある。
参考:中国知識産権局公式サイト
http://www.sipo.gov.cn/ztzl/ywzt/pph/zxdt/201705/t20170522_1311156.html
中国侵害対策
法務室・中国支援室からのご挨拶
中国の経済は、現在すさまじい勢いで成長しています。そして優秀な研究者も大幅に増加しており、研究者のレベルは先進国と比べても遜色ありません。また、中国には13億を超える人々が暮らしていることから、マーケットとしても重要視されています。
しかし一方で、中国は模倣品・海賊版の一大生産地であることも事実であり、日本のみならず各国へ大量の模倣品・海賊版が輸出されています。例えば、日本の税関における平成19年1月~6月の知的財産侵害物品の差止実績によると、輸入差止がなされた件数のうち、実に69.6%が中国からの輸入でした(そのほかの国からの輸入差止は、韓国20.9%、香港2.9%、タイ2.8%、フィリピン2.7%となっています)。
また、日本弁理士会が企業知財部に行ったアンケートによると、「日本以外で特許権を取得する場合に最も重要と感じている国や地域は?」という質問に対し、中国が31%と、米国(48%)に次いで多く、欧州(12%)よりも重要視されています。これに対し、「海外の知財問題で最も情報が不足している国はどこですか?」という質問に対しては、「中国」「インド」「ブラジル」という回答が目立ったということです(出典:日本弁理士会発行 パテント2007 Vol.60 No.9 33頁)。
このアンケート結果から、「中国」は企業の知財戦略にとって非常に重要であるにもかかわらず、情報が不足しているという知財担当者の悩み・ジレンマが窺われます。
そこで、微力ではありますが、私どもの法務室と中国支援室とが協同して、中国の知財制度全般について紹介させていただきます。みなさまの中国における知財の情報不足解消の一助になれば幸いです。
大阪法務戦略部長 弁理士 八谷 晃典
中国支援室 室長 孫 欧
侵害対策
中国で知的財産権が侵害された場合の救済方法として、行政ルートによる救済と司法ルートによる救済との二つのルートによる救済が認められています(双軌制)。この行政ルートによる救済が認められているという点が中国の特徴です。
また、従来は行政ルートによる救済が利用されることが多かったのですが、近年は司法ルートによる救済を求める事案も増加してきています。
1.「行政ルート」による救済の“メリット”は以下のとおりです。
②早期の解決が見込めること
③費用が安いこと
これに対し、「行政ルート」による救済の“デメリット”は以下のとおりです。
②地方保護主義の弊害を受けやすいこと
③強制執行ができないこと
④決定の効力は管轄区域内に限られること
2.「司法ルート」による救済の“メリット”は以下のとおりです。
②判決に基づく差止や差押えの強制執行が可能で、執行力は全国に及ぶこと
③提訴前の差止や仮処分が利用できること
④証拠保全ができること
これに対し、「司法ルート」による救済の“デメリット”は以下のとおりです。
②費用が高いこと
③処理に時間がかかること
実際に中国で知的財産権侵害に対応する際には、上記の各ルートによる救済の“メリット”・“デメリット”を勘案した上で、具体的な対応を採る必要があります。
行政ルートによる救済
知的財産権の侵害に対して行政ルートによる救済が受けられるということが、中国における知的財産権保護の特徴です。しかし、行政ルートによる救済といっても、単一の行政機関によって救済されるのではなく、保護されるべき権利によって担当する行政機関が異なります。
したがって、知的財産権侵害に対する救済を求める場合には、どの行政機関に救済を求めるのかが重要となります。
そこで、以下に知的財産権侵害に対する救済を行う行政機関、手続および留意点について説明致します。
中国工商行政管理部門の概要
1.工商行政管理総局組織
工商行政管理総局は、市場の監督管理及び行政執行を所管する、国務院(日本の内閣に相当する)の直轄下にある機構である。工商行政管理総局は下記の各機関から構成されている。
事務局
法規司
工商行政管理に関連する法律・政策を研究・制定し、工商行政管理に関する行政立法、制度の制定・協調及び公表を担当する。工商行政に関する行政執行を監督し、又は、諮問・意見聴取を行う。法律・法規の草案を起草し、工商行政管理に関する行政立法を制定する。行政不服申立、賠償などに参与し、又は担当する。法制の広報及び教育を行い、工商行政方面の法制を指導する。
公平取引局
独占及び不正競争に関する行政立法、制度及び具体措置、罰則を研究・制定し、その実施を各担当部局に割り当てる。市場取引における独占・寡占、不正競争、密輸、ネズミ講等の違法行為を取り締まる。
組織構成
1総合部
2不正競争防止部
3独占禁止部
4経済検査部
5ネズミ講取締部
消費者権益保護局
消費者権益に関する行政立法、制度及び具体的な措置、罰則を研究し、制定する。消費者の権益を侵害する行為を厳重に取り締まる。市場において流通する商品の品質を監督し、模倣品などの違法行為を取り締まる
市場規範管理司
市場秩序に関する行政立法、制度及び具体措置、罰則を検討・制定する。法律に基づいて、各種の市場秩序を維持し、管理・監督する。仲介業者、経営機構を監視・管理する。契約について行政として管理し、動産担保の登記を管理し、競売を監視・管理し、詐欺目的の契約などの違法行為を取り締まる。広告を監督・管理する。
企業登録局
各種の企業(外資系企業も含める)及び経営活動に従事する単位、個人及び外国(地区)に常駐する代表機構の登記を管理する。登記すべき単位の名称を確定し、関係証明書を発行・受理・審査するとともに、それらを監視・管理する。
人事教育司
個人私営経済(自営業)監管司
外事司
商標局
商品・役務商標、証明商標などの商標の出願、及び前記商標の変更、移転、更新、取消などを処理し、商標の登録異議の決定をし、商標に関する行政立法、制度及び具体措置、罰則を制定する。法律に基づき、商標侵害及び模倣品を取り締まる。商標侵害に関する行政不服申立に協力する。商標の使用許諾契約及び商標の印刷(※1)を管理する。商標代理機構(商標代理人)及び商標の資産価値評価機構を管理する。驰名商標(著名商標)を認定する。商標情報を収集する。中国における商標国際条約、協定の実施を各担当部局に割り当てる。商標に関する国際協調及び協力についての事項を担当する。
商標評審委員会
拒絶査定に対する審判、異議申し立てに対する不服審判、登録商標の取消、取消決定に対する不服申立などの商標審判請求を受理する。(※2)
機関共産党委員会
紀律検査監察局
老幹部事務所
2.工商行政管理局機関機構図
3.所属の事業単位(※6)
機関サービスセンター・経済情報センター・中国工商新聞社・中国工商出版社・中国消費者新聞社・工商学会・教育センター・市場経済監督管理研究センター・中国自営業労働者協会・中国消費者協会・中国広告協会・中華商標協会・通達商標サービスセンター
4.主な職権及び職責
1工商行政管理の方針・政策を研究・制定し、関係法律・法規の草案を起草し、工商行政管理に関する行政立法を制定する。
2法律に基づいて、各種の企業(外資系企業も含める)及び経営活動を従事する単位、個人及び外国(地区)に常駐する代表機構の登記を管理する。登記すべき単位の名称を確定し、関係証明書を発行・受理・審査するとともに、それらを監視・管理する。
3法律に基づいて、市場競争行為を監督し、独占・寡占、不正競争(※7)、などの経済面における違法行為を取り締まる。
4法律に基づいて、経営者及び消費者の権益を保護するため、市場取引を監督し、市場において流通する商品の品質を監督し、模倣品を取り締まる。(※8)
5法律に基づいて、各種類の市場秩序を維持し、管理・監督する。
6法律に基づいて、仲介業者、経営機構を監視・管理する。
7法律に基づいて、契約について行政として管理し、動産担保の登記を管理し、競売を監視・管理し、契約詐欺などの違法行為を取り締まる。
8法律に基づいて、広告を監督・管理し、違法行為を取り締まる。
9商標登録及び商標管理の業務を担当し、商標専用使用権を保護し、商標侵害行為を取り締まり、驰名商標(著名商標)の認証及び保護を強化する。
10法律に基づいて、自営業、組合組織及び私営企業の経営活動を監督する。
11全国の工商行政管理業務を指導する。
12工商行政管理の国際的な調査及び協調を推進する。
13国務院に与えられたほかの事項。
5.知的財産権侵害にあたる工商行政管理部門の位置づけ
A 下記の知的財産権侵害があるとき、何人も工商行政管理部門へ申立又は通報することができる(※9)
1商標権者の許諾を得ずして、同一又は類似の商品についてその登録商標と同一又は類似の商標を使用すること
2商標権侵害の商品を販売すること
3他人の登録商標の標識を偽造し、許可なく製造する行為、若しくは、偽造、又は許可なく製造した他人の登録商標標識(ラベル等)を販売する行為
4商標権者の同意を得ずして、その登録商標を取り換え、かつ当該取り換えた商標にかかる商品を再度市場に流通させる行為
5他人の商標権にその他の損害を与えること(※10)
6事業者が正当な権限なく、周知商品に特有の名称、包装、表面装飾を使用し、又は、その周知商品に類似する名称、包装、表面装飾を使用し、もって他人の周知商品との混同を生じさせ、消費者にそれが当該商品であると誤認させること(※11)
7他人の登録商標専用権を侵害することに付随して、故意に、保管、運送、郵送、隠匿などの便宜を供すること(※12)
B 工商行政管理部門の権限及びその職権の行使
・権限
商標権の侵害行為に対しては、工商行政管理部門が法律により調査・処分を行う権限を有する。犯罪のおそれがある場合は、直ちに司法機関(公安機関)に移送され、法律により処理されるものとする。(※13)
・職権の行使(※14)
県クラス以上の工商行政管理部門が既に取得している違法性の疑いある証拠又は通報に基づき、侵害の嫌疑のかかった他人の商標権にかかる侵害行為に対して取調べを行う際には、当部門は次に掲げる職権を行使することができる。
(1)関係当事者を尋問し、他人の商標権侵害に関連する情況を調査すること
(2)当事者と侵害活動に関係する契約書、伝票、帳簿及びその他の関連資料を調査・閲覧し複製すること
(3)当事者が他人の商標権の侵害行為に従事した疑いのある場所について現場検証を行うこと
(4)侵害活動の関連物品を検査すること、他人の商標権の侵害の証拠となる物品を差し押さえることができる。
C 処理結果
工商行政管理部門の処理において、侵害行為が成立すると認定されたときは、侵害行為の即時停止を命じ、侵害商品と侵害商品の製造及び登録商標標識の偽造にのみ用いられた工具を没収、廃棄し、合わせて過料に処することができる。当事者は処理の決定に対して不服があれば、処理の通知を受け取った日から15日以内に「中華人民共和国行政訴訟法」に基づき人民法院に訴えを提起できる。侵害者が期日満了までに訴えを提起せず、又はその決定を履行しないときは、工商行政管理部門が人民法院に強制執行を請求できる。 処理を進める交渉行政管理部門は当事者の請求によって、商標権の侵害に係る損害賠償額についての調停を行うことができる。調停が不調の場合には、当事者は、「中華人民共和国民事訴訟法」に基づき人民法院に訴えを提起できる。(※15)
6 営業秘密侵害にあたる工商行政管理部門(※16)の位置づけ
A 権利者は、営業秘密が侵害されたと主張するとき、営業秘密及びその侵害行為が存在する証拠を提供して、工商行政管理部門へ申し当てる。
(1)窃盗、利益による誘引、脅迫その他の不正な手段により権利者の営業秘密を取得すること。
(2)前号の手段により、取得した権利者の営業秘密を漏洩し、使用し、又は他人にその使用を許諾すること。
(3)約定に違反し、又は権利者からの営業秘密の守秘要求に違反し、その掌握している営業秘密を漏洩し、使用し、又は他人に使用を許諾すること。
(4)前項各号に掲げる違法行為を明らかに知っていて、又は知るべきであった第三者が、他人の営業秘密を入手し、使用し、又は漏洩したときは、その営業秘密を侵害したものとみなす。(※17)
(5)権利者の職員は、契約の規定に違反し、又は権利者からの営業秘密の守秘要求に違反して、自分が掌握している営業秘密を漏洩し、使用し、又は他人に使用を許諾すること。(※18)
B 工商行政管理部門の権限及び処理結果
上記の違反行為がある場合、工商行政管理機関は、「不正競争防止法」第25条の規定により、違法行為を取り締まることができる。情況に応じ、1万人民元以上20万人民元以下の過料に処することができる。
工商行政機関は、前記の規定により、処罰を処するとき、侵害物品に対して、下記の処理をすることができる。
(1)営業秘密の図面、ソフトウェア及び他の関係資料を権利者へ返還することを侵害者に命ずる
(2)侵害者が、権利者の営業秘密を使用して製造した、市場における流通が営業秘密の漏洩をもたらす製品を廃棄することを監督する
(3)侵害者が処罰決定を執行せず、継続して営業秘密の侵害行為をなす場合、新しい違法行為と見なされ、より厳しく処罰する(※19)
※1
「商標印制管理弁法」
第7条 商標印刷単位が商標印刷業務を受任するときは、商標印刷を依頼する者が提供した関係証明文書及び商標見本に対し、検査しなければいけない。
商標印刷委託者は、商標印刷単位に本弁法の第三条、第四条に規定された証明文書を提供しないとき、又は、その依頼する商標標識は、本弁法第5条、第6条の規定を具備しない場合、商標印刷単位は、この印刷を引き受けてはならない。
第8条 商標印刷単位は、本弁法の規定を具備する商標業務を受け取る際に、商標印刷業務管理員は、その要求を「商標印刷業務登記表」に記入しなければならず、商標印刷委託者が提供する証明文書の主な内容を明記する。「商標印刷業務登記表」中の商標見本は、商標印刷管理員により割印をしなければならない。
商標標識の印刷が完了したときは、商標印刷単位は、15日以内に商標サンプルを受け取らなければならず、加えて「商標印刷業務登記表」と「商標登録証」の写し、商標使用許諾契約書の写し、商標印刷授権書の写し等を全て保管しなければならない。
第9条 商標印刷単位は、商標標識のファイル保管制度を設けなければならない。 商標標識をファイルに保管するときは、帳簿に記録しなければならない。欠陥のある標識に対しては、まとめて廃棄し、外部に流出させてはならない。
第10条 「商標印制業務登記表」及び商標標識のファイル保管された帳簿は検査のために、2年間保管しなければならない。
第11条 商標印刷単位が本弁法第7条、8条、9条、10条の規定に違反するときは、所在地の工商行政管理局は是正を命ずる。情況が甚だしきときは、警告をもって、不法所得の3倍以下の過料に処する。ただし、最高で3万人民元を越えないこととし、不法所得を有しないときは、1万人民元以下の罰金に処する。
第12条 無断に商標印刷企業を設立する場合、又は無断に商標印刷経営活動を従事する場合、所在地或いは、行為地の工商行政管理局が、「商標法」の関係規定により処理する。
第13条 商標印刷単位は、第7条の規定に違反し、印刷業務を受任するとき、かつ印刷する商標は、他人の登録商標と同一、または類似する場合、「商標法実施条例」第50条第2項の商標侵害行為にあたる。所在地或いは行為地の工商行政管理局は、「商標法」の関係規定で処理する。
※2
中華人民共和国商標法 第28条 商標評審委員会が商標法第32条、同第33条、同第41条、同第49条の規定により提出された商標審判請求を受理する。商標評審委員会は、事実に基づき、法律によりその審判の審理を行う。
※3
「省」とは、日本の「県」に相当する、中国の一級行政区である。河北省・山西省・遼宁省・吉林省・黑龍江省・江蘇省・浙江省・安徽省・福建省・江西省・山東省・河南省・湖北省・湖南省・广東省・海南省・四川省・貴州省・云南省・陜西省・甘粛省・青海省・台湾省の全部で23の省がある。
※4
「自治区」とは、中国の少数民族の地方民族自治区域であり、「省」と同じく一級行政区である。チベット自治区・宁夏回族自治区・新疆維吾爾自治区・广西壮族自治区、内モンゴル自治区の全部で5の自治区がある
※5
「直轄市」とは、「省」、「自治区」と同じく、一級行政区であり、直接に中国中央人民政府に属する市である。北京市・上海市・天津市・重慶市の全部で4の直轄市がある。
※6
「事業単位」とは、社会公益の目的で、国家機関或いは、その他の組織が国有資産を利用して作った、教育・科学技術・文化・衛生関係の社会サービス組織であり、一種の外郭団体である。
※7
・他人の登録商標を詐称する行為、正当な権限なく他人の周知商品と誤認させる行為、正当な権限なく他人の企業名称・自然人名称と誤認させる行為、品質表示・原産地の虚偽表示する行為の禁止 (不正競争防止法第5条)
・独占地位を利用して、他人に指定の取引先と取引することを限定してはならない(同第6条)
・行政権限濫用の禁止(同第7条)
・事業者の贈収賄の禁止(同第8条)
・商品の虚偽誇大宣伝の禁止(同第9条)
・営業秘密の保護(同第10条)
・不当な価格競争の禁止(同第11条)
・抱合せ販売行為などの禁止(同第12条)
・不当な景品付き販売行為の禁止(同第13条)
・競争相手の営業上の信用を誹謗することの禁止(同第14条)
・入札談合の禁止(同第15条)
※8
中華人民共和国商標法 第7条 商標を使用する者は、その商標を使用する商品の品質に対し責任を負わなければならない。各クラスの工商行政管理部門は、商標管理によって、消費者を欺瞞する行為を禁止しなければならない。
※9
中華人民共和国商標法実施条例 第51条 商標権の侵害行為に対しては、何人も工商行政管理部に申立又は通報することができる。
※10
中華人民共和国商標法 第53条 本法第52条(権利侵害行為)に定める商標権の侵害行為があり、紛争が引き起こされたときは、当事者の協議により解決するものとする。協議が不調または不能のときは、商標権者又は利害関係人が人民法院に訴えを提起でき、一方で工商行政管理部門の処理を請求することもできる。
工商行政管理部門の処理において、侵害行為が成立すると認定されたときは、侵害行為の即時停止を命じ、侵害商品と侵害商品の製造及び登録商標標識の偽造にのみ用いられた工具を没収、廃棄し、合わせて過料に処することができる。当事者は処理の決定に対して不服があれば、処理の通知を受け取った日から15日以内に「中華人民共和国行政訴訟法」に基づき人民法院に訴えを提起できる。
侵害者が期日満了までに訴えを提起せず、又はその決定を履行しないときは、工商行政管理部門が人民法院に強制執行を請求できる。処理を進める交渉行政管理部門は当事者の請求によって、商標権の侵害に係る損害賠償額についての調停を行うことができる。調停が不調の場合には、当事者は、「中華人民共和国民事訴訟法」に基づき人民法院に訴えを提起できる。
※11
「不正競争防止法」第21条第2項 事業者が正当な権限なく、周知商品に特有の名称、包装、表面装飾を使用し、又は、その周知商品に類似する名称、包装、表面装飾を使用し、もって他人の周知商品との混同を生じさせ、消費者にそれが当該商品であると誤認させたときは、監督検査機関は、当該違法行為の差し止めを命じ、不法所得を没収しなければならず、その情状により、不法所得の同額以上3倍以下の過料に処することができる。情状が重大なときは、営業許可証を取消すことができる。偽造粗悪商品を販売し、犯罪を構成するときは、法律により刑事責任を追及する。
※12
中華人民共和国商標法実施条例 第50条 次に掲げる行為の一つに該当するときは、商標法第52条第(5)号にいう商標権の侵害行為に該当する。(1)同一又は類似の商品に、他人の登録商標と同一又は類似の標章を商品名称又は商品の表面装飾として使用し、かつ公衆に誤認を生じさせる場合 (2)他人の商標権を侵害する行為のために、故意に、倉庫保管、輸送、郵送、隠匿などの便宜に供する場合
※13
中華人民共和国商標法第54条 商標権の侵害行為に対しては、工商行政管理部門が法律により調査・処分を行う権限を有する。犯罪が疑われる場合は、直ちに司法機関に移送され、法律により処理されるものとする。
※14
中華人民共和国商標法第55条 県クラス以上の工商行政管理部門が既に取得している違法性の疑いある証拠又は通報に基づいて侵害嫌疑のかかった他人の商標権にかかる侵害行為に対し取調べを行う際に、当部門は次に掲げる職権を行使することができる。
(1)関係当事者を尋問し、他人の商標権侵害に関連する情況を調査すること
(2)当事者と侵害活動に関係する契約書、伝票、帳簿及びその他の関連資料を調査・閲覧し複製すること
(3)当事者が他人の商標権の侵害行為に従事した疑いのある場所について現場検証を行うこと
(4)侵害活動の関連物品を検査すること、他人の商標権を侵害したという証明の証拠となる物品に対し、封印し又は差押を行うことができる。
工商行政管理部門が法律により前項に規定する職権を行使するときは、当事者は協力しなければならず、拒絶や妨害をしてはならない。
※15
中華人民共和国商標法 第53条 本法第52条(権利侵害行為)に定める商標権の侵害行為があり、紛争が引き起こされたときは、当事者の協議により解決するものとする。協議が不調または不能のときは、商標権者又は利害関係人が人民法院に訴えを提起でき、一方で工商行政管理部門の処理を請求することもできる。
工商行政管理部門の処理において、侵害行為が成立すると認定されたときは、侵害行為の即時停止を命じ、侵害商品と侵害商品の製造及び登録商標標識の偽造にのみ用いられた工具を没収、廃棄し、合わせて過料に処することができる。当事者は処理の決定に対して不服があれば、処理の通知を受け取った日から15日以内に「中華人民共和国行政訴訟法」に基づき人民法院に訴えを提起できる。
侵害者が期日満了までに訴えを提起せず、又はその決定を履行しないときは、工商行政管理部門が人民法院に強制執行を請求できる。処理を進める交渉行政管理部門は当事者の請求によって、商標権の侵害に係る損害賠償額についての調停を行うことができる。調停が不調の場合には、当事者は、「中華人民共和国民事訴訟法」に基づき人民法院に訴えを提起できる。
※16
不正競争防止法 第3条 各クラスの人民政府は、不正競争行為を禁止させる措置を講じ、もって公平な競争のための良好な環境及び条件を作らなければならない。
県クラス以上の人民政府工商行政管理機関は、不正競争行為に対して監督検査を行う。法律又は行政法規の規定により、その他の機関が監督検査を行うときは、当該規定によるものとする。
※17
不正競争防止法 第10条 次の各号に掲げる行為をして、営業秘密を侵害してはならない。
(1)窃盗、利益による誘引、脅迫その他の不正な手段により権利者の営業秘密を取得すること
(2)前号の手段により、取得した権利者の営業秘密を漏洩し、使用し、又は他人にその使用を許諾すること
(3)約定に違反し、又は権利者からの営業秘密の守秘要求に違反し、その掌握している営業秘密を漏洩し、使用し、又は他人にしようを許諾すること。
前項各号に掲げる違法行為を明らかに知っていて、又は知るべきであった第三者が、他人の営業秘密を入手し、使用し、又は漏洩したときは、その営業秘密を侵害したものとみなす。
本条にいう営業秘密とは、公知でなく、権利者に経済的利益をもたらすことができるもので、実用性を備え、かつ権利者が秘密保持措置を講じている技術上又は営業上の情報をいう。
※18
「営業秘密の侵害行為を禁止する若干規定」 第3条 下記の営業秘密を侵害することを禁止する
(1)窃盗、利益による誘引、脅迫その他の不正な手段により権利者の営業秘密を取得すること
(2)前号の手段により、取得した権利者の営業秘密を漏洩し、使用し、又は他人にその使用を許諾すること
(3)権利者と取引のある単位及び個人は、約定に違反し、又は権利者からの営業秘密の守秘要求に違反し、その掌握している営業秘密を漏洩し、使用し、又は他人に使用を許諾すること。
(4)権利者の職員は、契約の規定に違反し、又は権利者が営業秘密を保守する要求に違反して、自分が掌握している営業秘密を漏洩し、使用し、又は他人に使用を許諾すること。 前項各号に掲げる違法行為を明らかに知っていて、又は知るべきであった第三者が、他人の営業秘密を入手し、使用し、又は漏洩したときは、その営業秘密を侵害したものとみなす。
※19
「営業秘密の侵害行為を禁止する若干規定」第7条 本規定の第三条に違反する場合、工商行政管理機関は、「不正競争防止法」第25条の規定により、違法行為を取り締まることができる。情況に応じ、1万人民元以上20万人民元以下の過料に処することができる。
工商行政機関は、前記の規定により、処罰を処するとき、侵害物品に対して、下記の処理をすることができる。
(1)営業秘密の図面、ソフトウェア及び他の関係資料を権利者へ返還することを侵害者に命ずる
(2)侵害者が、権利者の営業秘密を使用して製造した、市場における流通が営業秘密の漏洩をもたらす製品を廃棄することを監督する
第8条 侵害者がその処罰決定を執行せず、継続して営業秘密の侵害行為をなす場合、それを新しい違法行為と見なし、より厳しく処罰する。
中国国家知的財産局
1.国家知的財産局
国家知的財産局の前身は中華人民共和国専利局であった。1980年に国務院(日本の内閣に相当する)により設立された。1998年国務院の機構改革で「中国国家知的財産局」に名称を変更した。中国全国の特許(※1)業務を所管し、また渉外知的財産に関して統一協調を行う国務院の直轄下にある機構である。中国国家知的財産局は下記の各機構から構成されている。
組織構成図
1. 内部の各職能部門
内部の各職能部門は下記の組織図の通り、事務局、人事司、条法司、国際協力司、協調管理司、企画発展司、退職幹部部門及び監察弁公室から構成されている。
① 特許法及び実施細則の修正を担当する。
② 関係する知的財産権法規を研究・起草する。
③ 特許法実施細則及び関連法規・規則の解釈を担当する。
④ 知的財産権に関する法令等の制定及び修正について提案する。
⑤ 知的財産権に関する条約、その他の国際取極における中国としての主張を立案し、知的財産局に提出する。
⑥ 知的財産権に関する法律・法規関係を施行する上での必要な行政機関同士の業務を調整する。
⑦ 特許権の確認及び侵害判断の基準を制定し、管理機構を指定する。
⑧ 特許審査ガイドライン及び関係する特許業務の規則を制定する。
⑨ 特許代理機構を審査し、渉外特許代理機構を指定する(※2)。
⑩ 弁理士試験及び資格認定の業務を担当する。
⑪ 行政不服申立規則を制定する。
⑫ 中国知的財産局から委託された他の業務
国際協力司
① 渉外知的財産の統一協調を担当する
② 知的財産権の二国間或いは多国間の公約・協定の談判、調印及び国内法の整備を担当する
③ 世界知的財産権組織及び他の国際知的財産権組織との連絡を担当する
④ 特許業務の国際協力及び交流を担当する
⑤ 知的財産権の国際協力及び協調を担当する
⑥ 香港・マカオ・台湾の知的財産案件を担当する
⑦ 知的財産局が行う海外からの人材導入活動に参与する
⑧ 知的財産局から与えられた他の業務
協調管理司
① 中国の特許及び関係知的財産管理業務の政策、方法、措置及び規則などを研究・制定する。
② 特許紛争事件の処理及び特許侵害の取締り業務について地方の特許管理機関を指導する。
③ 特許流通市場の規範、特許技術実施の関係政策・措置を制定する。
④ 知的財産権の二カ国間及び多国間の協議を行う際に、国内における行政執行体制及び管理を協調する。
⑤ 特許資産の価値評価機構及びサービス機構を監督・管理する。
⑥ 強制実施権の付与及びその対価についての裁定請求に対して意見を出す。
⑦ 特許契約の登録を担当する。
⑧ 特許権者の申請に基づき、優秀な中国特許を選出し、人事司と共同で全国特許分野の先進的な単位や人物を選出、表彰する。
⑨ 特許戦略研究を行う。
⑩ 知的財産局から与えられた他の事項。
企画発展司
退職幹部部門
監察弁公室
2.国家知的財産局専利局
組織構成
初審及び手続管理部
① 特許出願の受理を担当する
② 特許出願の中間書類及び他の各種の申請書を受理する
③ 発明特許の形式審査を担当する
④ 特許書類保存などの管理を担当する
⑤ 特許証を発行する
⑥ 特許公報と明細書を編修・出版する
⑦ 特許費用の受領を担当、管理する。
⑧ 出願に係る発明及び考案の分類について研究する
実用新案審査部
実用新案審査部は、国家知的財産権特許局の職能部門であり、実用新案の出願の初審(形式審査)を担当する。
意匠審査部
1意匠出願の分類、審査及び権利付与
2意匠の登録前及び登録後の手続管理
3意匠の出願及び保存文献の管理
4意匠の出願及び各費用の徴収及び受領
5意匠権者、出願人、設計者、代理機構などの登録項目の変更を担当する
6意匠の研究及び学術活動を担当する
7意匠の審議を担当する
8意匠の出願及び関係のある問い合わせ並びに受付
9意匠の証明などを担当する
10知的財産局に与えられた他の事項
3.特許異議申立委員会
国家知的財産局特許異議申立委員会は、1984年11月に成立された当時中国専利局特許異議申立委員会と称し、中国専利局の内部の機構であった。その後、1998年国務院機構改革及び2001年「中国人民共和国特許法」の修正に伴い、特許異議申立委員会は二回名称を変更した。すなわち、1998年に国家知的財産局特許局の特許異議申立委員会と、2001年に国家知的財産局の特許異議申立委員会と変更された。2003年末、特許異議申立委員会は独立した行政機関となり、国家知的財産局に直属する行政単位となった。
主な職責
1.国家知的財産局から特許・マスクワークの拒絶に対する不服申し立てを審査する
② 特許権無効請求及びマスクワーク権利の取消案件について審理する
③ 特許異議申立委員会が行政訴訟の被告となる場合の訴訟応答業務を担当する。
④ 特許、マスクワークの権利確認及び侵害されたときの技術鑑定を研究する
⑤ 人民法院及び特許を管理する部門の委託を受け、特許権利の帰属確認及び特許侵害案件の処理に対して意見を出す。
二、所属の事業単位(※3)
機関サービスセンター・知的財産権出版社・中国知的財産権新聞社・中国特許情報センター・中国知的財産権教育センター・知的財産権発展研究センター・特許検索諮問センター・特許審査協力センター
三 知的財産権侵害にあたる知的財産局の位置づけ
1.知的財産局の管轄(※4)
国家知的財産局 |
省・自治区・直轄市知的財産局 |
特許管理仕事が多い、かつ実際処理能力のある(区のある) 市級知的財産局(※5) |
当事者が特許紛争の処理又は調停を請求する場合、被請求人の所在地又は権利侵害行為地の特許業務管理部門が管轄する。
二ヶ所以上の特許業務管理部門が管轄権を有する特許紛争の場合、当事者はその中の一の特許業務管理部門に請求することができる。当事者が管轄権を有する二ヶ所以上の特許業務管理部門に請求した場合に、先に受理した特許業務管理部門が管轄する。
特許業務管理部門間で管轄権について紛争が生じた場合、それらに共通する上級人民政府の特許業務管理部門がその管轄を指定する。共通の上級人民政府の特許業務管理部門がない場合には、国務院特許行政部門が管轄を指定する。
2.特許侵害行為がある場合
A 特許侵害違法行為様態
1特許権者等の許諾を得ずに生産経営の目的でその特許発明を製造、使用、販売の申出、販売、輸入し又はその特許方法を使用し、その特許方法により直接得られた製品を使用、販売の申出、販売、輸入すること(※6)。
2許諾を得ずに製造又は販売する製品又は製品の包装に他人の特許番号を表記すること
3許諾を得ずに広告(※7)又はその他の宣伝資料中に他人の特許番号を使用し、それに関連する技術を他人の特許技術と誤認させること
4許諾を得ずに、契約(※8)に他人の特許番号を使用し、契約に係る技術を他人の特許技術と誤認させること
5他人の特許証、特許書類又は特許出願書類を偽造又は変造すること(※9)
B 処理結果
他人の特許について虚偽表示をした場合には法律により民事責任を負うほか、特許業務管理部門はその是正を命じ、公告し、違法所得を没収するとともに、違法所得の3倍以下の過料に処すことができる。違法所得がない場合には、5万人民元(約75万日本円に相当)以下の過料に処すことができる。(※10)
① 侵害者が特許製品を製造している場合には、侵害者に対して直ちに製造行為を中止し、侵害製品を製造する専用設備や型等を廃棄し、かつ未販売の権利侵害製品を販売、使用又はその他の方法での流通を禁じるように命じる。侵害製品が保存しにくい場合には、侵害者にその製品を廃棄することを命ずる。
1権利侵害者が特許方法を使用している場合には、侵害者に対して直ちに使用行為を中
止し、特許方法を実施する専用設備や鋳型を廃棄し、かつその特許方法により直接取得した未販売の製品を販売、使用又はその他の方法での流通を禁じるよう命じる。権利侵害製品が保存しにくい場合には、侵害者にその製品を廃棄することを命ずる。
2侵害者は、特許製品又は特許方法により直接取得した製品を販売している場合には、侵害者に対して直ちに販売行為を中止し、かつ未販売の権利侵害製品を使用し又はその他の方法での流通を禁じるよう命じる。まだ販売されていない権利侵害製品が保存しにくい場合には、侵害者にその製品を廃棄することを命ずる。
3権利侵害者が特許製品又は特許方法により直接取得した製品の販売の申し出を行っている場合には、侵害者に対して直ちに販売の申出行為を中止し、影響を除去し、かつ如何なる販売行為もしてはならない旨命ずる。
4権利侵害者が特許製品または又は特許方法により直接に取得した製品を輸入している場合には、侵害者に対して直ちに輸入行為を中止することを命ずる。権利侵害製品が既に輸入されている場合には、その侵害製品の販売、使用又はその他の如何なる形での流通を禁じるように命じる。侵害商品が保存しにくい場合には、侵害者にその製品を廃棄することを命じる。権利侵害製品がまだ輸入されていない場合には、処理決定を関係の税関に通知することができる。
5その他の権利侵害行為を差し止めるために必要な措置(※11)
3 特許詐称違法行為がある場合
A 特許詐称行為様態
1特許標示をして非特許製品を製造又は販売する行為
2特許権が無効とされた後、製造又は販売する製品上に継続して特許標記をする行為
3広告又はその他の宣伝資料において非特許技術を特許技術と詐称する行為
4契約書において非特許技術を特許技術と詐称する行為
5特許証、特許書類又は特許出願書類を偽造又は変造する行為
B 処理
非特許製品を特許製品と詐称し又は非特許方法を特許方法と詐称した場合には、特許業務管理部門は是正を命じ、公告し、5万人民元以下の過料に処すことができる。(※12)
① 特許標示をして非特許製品を製造又は販売している場合には、行為者に対して直ちにその特許標示と特許番号を削除するよう命ずる。特許標示と特許番号とが製品と分離しがたい場合には、行為者にその製品の廃棄を命ずる。
② 広告又はその他の宣伝資料において非特許製品を特許製品と詐称している場合には、行為者に対して直ちにその広告又はその他の宣伝資料の配布を停止し、影響を除去し、まだ配付していない宣伝資料を供出するよう命ずる。
③ 契約書において非特許製品を特許製品と詐称している場合には、行為者に対して直ちに契約の相手方当事者に通知し、契約書中の関連事項を訂正するよう命ずる。
④ 他人の特許証、特許書類又は特許出願書類を偽造又は変造している場合、若しくは特許証証明書、特許書類又は特許出願書類を偽造・変造している場合には、行為者に対して直ちに上述の行為を停止し、偽造又は変造した特許証、特許書類又は特許出願書類を引き渡すように命ずる。
⑤ その他の必要な措置(※13)
中国の特許法では、日本における特許のみならず、実用新案及び意匠についても規定されている。以下、特に断らない限り、「特許」の語には、実用新案及び意匠をも含むものとする。
※2
中国特許法19条及び20条規定により、中国に常時居所又は営業所を有しない外国人、外国企業又はその他の組織が中国で特許を出願し及びその他の特許事務を行う場合および中国の単位又は個人が国内で完成した発明を外国に特許出願する場合には、国務院特許行政部門が指定した特許代理機構に委託して処理しなければならない。
但し、2007年に提案された改正特許法の草案では、当該規定は削除されている(2008年に新特許法が承認される見込みである)。
※3
「事業単位」とは、社会公益の目的で、国家機関或いはその他の組織が国有資産を利用して作った、教育・科学技術・文化・衛生関係の社会サービス組織であり、一種の外郭団体である。
※4
中華人民共和国特許法 第81条 当事者が特許紛争の処理又は調停を請求する場合には、被請求人の所在地又は権利侵害行為地の特許業務管理部門が管轄する。
二以上の特許業務管理部門がいずれも管轄権を有する特許紛争の場合、当事者はその中の一の特許業務管理部門に請求することができる。当事者が管轄権を有する二以上の特許業務管理部門に請求した場合には、先に受理した特許業務管理部門が管轄する。
特許業務管理部門間で管轄権について紛争が生じた場合には、それらの共通の上級人民政府の特許業務管理部門がその管轄を指定する。共通の上級人民政府の特許業務管理部門がない場合には、国務院特許行政部門が管轄を指定する。
※5
中華人民共和国特許法実施細則 第78条 特許法及び本細則における称する「特許業務を管理する部門」とは、省、自治区、直轄市人民政府及び特許業務量が多くかつ実際の処理能力を有する区のある市級人民政府が設立した特許業務を管理する部門である。
(2007年10月19日現在の中国知的財産局のホームページに掲載されているデータによれば、2006年末現在で、このような特許業務を管理する部門は90箇所ある。)
第80条 国務院特許行政部門は特許を管理する部門に対し、特許紛争の処理及び調停について業務指導をしなければいけない。
※6
中華人民共和国特許法 第11条 特許権及び実用新案権が付与された後、本法に別段の定めがある場合を除き、いかなる機関又は組織又は個人も特許権者等の許諾を得ずにその特許を実施してはならない。すなわち、生産経営の目的でその特許発明を製造、使用、販売の申出、販売、輸入し又はその特許方法を使用し、その特許方法により直接得られた製品を使用、販売の申出、販売、輸入してはならない。
意匠権が付与された後、いかなる機関又は組織又は個人も意匠権者等の許諾を得ずにその意匠を実施してはならない。すなわち、生産経営の目的で登録意匠に係る製品を製造、販売、輸入してはならない。
第57条 特許権者等の許諾を得ずにその特許を実施し、すなわち特許権を侵害し紛争が生じた場合には、当事者の協議により解決する。協議を望まず又は協議が成立しない場合には、権利者又は利害関係人は裁判所に提訴することができ、また、特許業務管理部門に処理を請求することができる。特許業務管理部門が処理した結果、侵害行為が成立すると認定した時は、侵害者に対して直ちに侵害行為を停止するよう命じることができる。
当事者が特許業務管理部門の処理に不服がある場合には、処理通知を受領した日から15日以内に、「中華人民共和国行政訴訟法」に基づいて裁判所に提訴することができる。侵害者が期間内に提訴せず、かつ侵害行為を停止しないときは、特許業務管理部門は裁判所に強制執行を申請することができる。
特許業務管理部門は、当事者の請求により、特許権侵害に対する賠償額について調停を行うことができる。調停が成立しないときは、当事者は「中華人民共和国民事訴訟法」に基づき、裁判所に提訴することができる。
第58条 他人の特許を虚偽表示した場合には法律により民事責任を負うほか、特許業務管理部門はその是正を命じ、公告し、違法所得を没収するとともに、違法所得の3倍以下の過料に処すことができる。違法所得がない場合には、5万人民元以下の過料に処すことができる。犯罪を構成する場合には、法律により刑事責任を追及する。
※7
「特許広告の発布についての暫定管理弁法」 第3条 中国専利局は、特許製品及び特許方法に係る広告を審査する。
第5条 特許製品、特許方法及び特許活動に係る広告については、中国専利局と各省、自治区又は直轄市特許管理機関が広告の内容を審査する。
① 国家レベルのテレビ局、映画、放送、新聞又は雑誌等で発布する広告については、中国専利局がその内容を審査する。
② 省、自治区又は直轄市に所属しているテレビ、映画、放送、新聞又は雑誌等で発布する広告については、その行政区域内の特許管理が部門その内容を審査する。
第6条 広告主は、中国専利局或いは省、自治区又は直轄市の特許管理機関に審査申請を提出する際には、広告に係る特許製品・特許方法の特許証及び特許権を有効と証明する法律文書を提出しなればいけない。
ライセンシーは、ライセンスを受けた特許製品或いは特許方法を広告の審査申請をする場合には、ライセンス契約書の写し及び契約の登録証明書を提出しなければいけない。
特許に関する広告を発布する場合には、活動を行う単位は、中国の専利局、或いは各省、自治区又は直轄市の特許管理機関に審査申請を提出し、かつ主管する機関からの許可書類を提出しなければいけない。
第10条 広告で特許技術製品を詐称する行為、又は広告でまだ許可されていない特許技術を特許済みとして宣伝する行為、若しくは他人を騙す行為がある場合には、広告主は広告法に基づき民事責任を負う。広告経営者及び広告発布者は、広告が偽りであることを知っている、或いは知るべきであったにもかかわらず広告を考案、創作又は発布した場合には連帯責任を負う。
第11条 中国専利局及び各省、自治区又は直轄市の特許管理機関の責任のある担当者が特許技術や製品及び特許に関係する活動に係る広告を審査する際において、特許の詐称を看過し、又は「広告法」に違反して広告宣伝することを許可した場合には、その担当者の属する単位、上級機関又は行政監察部門が当該責任のある担当者を懲戒する。
※8
中国の契約法では、特許権譲渡やライセンス契約などは、諾成契約のみで足りるとされている日本とは異なり、要式契約でありかつ登録が効力発生要件とされているため、必ず契約書を作成しなければいけない。自社の現地法人との間での契約であっても、要式性及び登録が求められるため注意が必要である。
中華人民共和国契約法 第342条 技術譲渡契約には、特許権の譲渡、特許申請権の譲渡、技術秘密譲渡及びライセンス契約が含まれる。
技術譲渡契約は、書面形式を採用しなければいけない。
※9
中華人民共和国特許法実施細則 第84条 以下の行為は、他人の特許の虚偽表示に属する。
(1) 許諾を得ずに製造又は販売する製品又は製品の包装に他人の特許番号を表記する行為
(2) 許諾を得ずに広告又はその他の宣伝資料中に他人の特許番号を使用し、それに関連する技術を他人の特許技術と誤認させる行為
(3) 許諾を得ずに契約に他人の特許番号を使用し、契約に係る技術を他人の特許技術と誤認させる行為
(4) 他人の特許証、特許書類又は特許出願書類を偽造又は変造する行為
※10
中華人民共和国特許法 第58条 他人の特許を虚偽表示した場合には法律により民事責任を負うほか、特許業務管理部門はその是正を命じ、公告し、違法所得を没収するとともに、違法所得の3倍以下の過料に処すことができる。違法所得がない場合には、5万人民元以下の過料に処すことができる。
第60条 特許権侵害の賠償金額は、特許権者が侵害により被った損害又は侵害者が侵害により得た利益に基づいて確定する。侵害された者の損害又は侵害者が得た利益の確定が困難なときは、当該特許の実施許諾量の倍数を参照して合理的に確定する。
※11
「特許行政執行弁法」 第33条 特許管理部門が特許侵害行為を処理した結果、権利侵害が成立すると認める場合には、下記に掲げる措置を採用し、侵害者に直ちにその侵害行為を停止するよう命ずることができる。
① 侵害者が特許製品を製造している場合には、侵害者に直ちに製造行為を中止し、侵害製品を製造する専用設備や型等を廃棄し、かつまだ未販売の権利侵害製品を販売、使用又はその他の方法での流通を禁じるように命じる。侵害製品が保存しにくい場合には、侵害者にその製品を廃棄することを命ずる。
② 権利侵害者が特許方法を使用している場合には、侵害者に対して直ちに使用行為を中止し、特許方法を実施する専用設備や型等を廃棄し、かつその特許方法により直接に取得した未販売の製品を販売、使用又はその他の方法での流通を禁じるように命じる。権利侵害製品が保存しにくい場合には、侵害者にその製品を廃棄することを命ずる。
③ 侵害者が特許製品又は特許方法により直接取得した製品を販売している場合には、侵害者に対して直ちに販売行為を中止し、かつ未販売の権利侵害製品を使用し又はその他の方法での流通を禁じるように命じる。まだ販売されていない権利侵害製品が保存しにくい場合には、侵害者に対してその製品を廃棄することを命ずる。
④ 権利侵害者が特許製品又は特許方法により直接取得した製品の販売の申し出を行っている場合には、侵害者に対して直ちに販売の申出行為を中止し、影響を除去し、かつ如何なる販売行為もしてはならないと命ずる。
⑤ 権利侵害者が特許製品または又は特許方法により直接に取得した製品を輸入している場合には、侵害者に対して直ちに輸入行為を中止することを命ずる。権利侵害製品が既に輸入されている場合には、その侵害製品の販売、使用又はその他の如何なる形での流通をも禁じるよう命じる。侵害商品が保存しにくい場合には、侵害者にその製品を廃棄することを命じる。権利侵害製品がまだ輸入されていない場合には、処理決定を関係の税関に通知することができる。
⑥ その他の権利侵害行為を差し止めるために必要な措置
※12
「中華人民共和国特許法」第58条 他人の特許を詐称した場合には法律により民事責任を負うほか、特許業務を管理する部門は是正を命じ、違法所得を没収し、違法所得の3倍以下の過料を処する。違法所得がない場合には、5万人民元以下の過料を処すことができる。犯罪を構成する場合には、法律により刑事責任を追及することができる。
※13
「特許行政執行弁法」第36条 特許業務を管理する部門は、他人の特許を詐称し、特許を詐称していると認めたときは、行為者に下記の是正措置を命じなければいけない。
① 特許標示をしている非特許製品を製造又は販売している場合には、行為者に直ちにその特許標示と特許番号を削除するよう命ずる。特許標示と特許番号が製品と分離しがたい場合には、行為者にその製品を廃棄するよう命ずる。
② 広告又はその他の宣伝資料において非特許製品を特許製品と詐称している場合には、行為者に直ちにその広告又はその他の宣伝資料の配布を停止し、影響を除去し、まだ配付していない宣伝資料を供出するよう命ずる。
③ 契約書において非特許製品を特許製品と詐称している場合には、行為者に直ちに契約の相手方当事者に通知し、契約書中の関連事項を訂正するよう命ずる。
④ 他人の特許証、特許書類又は特許出願書類を偽造又は変造している場合、若しくは特許証証明書、特許書類又は特許出願書類を偽造・変造する場合には、行為者に対して直ちに上記行為を停止し、偽造又は変造した特許証、特許書類若しくは特許出願書類を引き渡すよう命ずる。
⑤ その他の必要な措置
国家品質監督・検査・検疫総局
国家品質監督・検査・検疫総局は、2001年に国家品質技術監督局と中華人民共和国国家出入国検査・検疫局とが合併して構成された国務院の直轄下にある機構であり、全国における品質、計量、出入国衛生検疫、出入国動植物検疫、輸出入の食品安全および認証認可、標準化等の業務を担当し、行政執行を所管する。
1 国家品質監督・検査・検疫総局の内部組織
品質管理司
① 国家の品質振興の政策・措置の実施
② 全国の品質管理業務に対する、国家的見地からの指導
③ 国家品質奨励制度の実施および各企業体のブランド戦略の推進の実施
④ 先進の品質管理手法および科学的な管理方法の整理
⑤ 重大なプロジェクトに関する設備品質の監理制度の設立
⑥ 重大な製品品質事故の調査の実施および意見の提出
⑦ 製品の偽物防止の監督および管理
計量司
① 計量法律・規則を実施並びに法定計量単位の普及
② 国家計量基準、計量標準および計量物質の管理・監督
③ 国家計量検定システム表、検定規定および計量技術規範の制定
④ 法律により、全国の計量器具の監督および管理
⑤ 市場の計量行為の指導・管理および計量仲裁検定の実施
⑥ 社会の公正計量サービス機構の指導および管理
⑦ 国際の計量組織の具体的な業務の受託
通関業務司
① 出入国検査・検疫総合業務、証明書の査証および標示に関する規則等の研究・作成および実施
② 港の出入国の検査・検疫業務の管理
③ 出入国の検査・検疫目録および種類表の編成
④ 商品の原産地証明書および一般原産地の査証業務の管理
⑤ 出入国検査・検疫経理および関係業務統計の管理
⑥ 検査・検疫業務の情報化
⑦ 検査・検疫・通関業務に関係する社会サービス機構の監察および管理
衛生検疫監察管理司
① 出入国の衛生検疫監察管理規則や計画等の研究、港湾における突然の公共衛生事件に対する対策予備案および技術的な方案の研究ならびにその実施。衛生検疫、衛生標準および技術法規の制定および実施
② 外国、国内の伝染病、疫病などの公共衛生事件についての情報の収集および通報。港湾における伝染病、疫病のリスク分析、リスク予報および処理。
③ 出入国における検疫対象としての伝染病および観察対象としての伝染病の目録の研究および作成
④ 出入国者、車輌、貨物および死体などの衛生検疫の管理
⑤ 輸出入に係る微生物、人体組織、生物製品、血液およびその加工品などの特殊の物品の衛生検疫業務の管理
⑥ 出入国者および港湾における人員の伝染病観測、健康診断、予防接種、国際旅行に関する健康相談および衛生宣伝。
⑦ 出入国の港および公共施設、倉庫、出入国車輌、輸出入の貨物などにおける環境衛生、食品衛生、ごみおよび廃棄物の衛生の監督
⑧ 出入国の港湾地域および伝染病の伝染媒体に対する観測。外国および国内の伝染病媒体の予防および対策の研究並びに伝染病媒体の監査情況の通報
⑨ 港湾の検疫検査、衛生監督、衛生処理の安全および品質の管理、新方法および新技術の普及、保健センターにおける生物製品・診断薬剤などの使用および衛生処理単位における薬品および機械の使用の指導並びに監督
⑩ 港湾における危険生物、核、放射性物質などのテロ対策。
⑪ 出入国の衛生検疫およびテロ対策に関係する国際交流および協力。
動植物検疫監察管理司
① 輸出入の動植物検査・検疫規則の研究、入国禁止の動植物目録の提案、出入国の動植物およびその加工品の検査・検疫および監督。
② 外国の動植物の疫病に関する情報の収集、リスク分析および緊急予防の実施。
③ 出入国の動植物検疫の登録および審査
検査監察管理司
① 輸出入の商品の検査および監督管理に関する規則、技術措置などの研究並びにその制定
② 法定の検査商品の免除の審査および認可
③ 一般包装および危険物の包装に対する検査
④ 運輸車輌およびコンテナの検査および検疫の実施
⑤ 渉外の検査検疫機構の審査および監督
特殊設備安全監察局
① ボイラー、圧力容器、圧力パイプ、エレベータおよびケーブル等の特殊設備の安全監察および監督
② 特殊設備の安全監察目録、安全規則および技術の安全規範などの作成、検査・監督の実施
③ 特殊設備の設計、製造、取り付け、改造、メンテナンス等の監督および検査
④ 特殊設備の事故の調査、統計分析の実施
⑤ 特殊設備の検査機構に対する審査および特殊設備の検査に従事する特殊作業者の資格試験の実施
製品品質監察監督司
① 国における製品品質の監督、抜き取り検査の実施
② 法律・法規による、国家重点監督製品の目録の制定および実施
③ 企業に対する国内製品の品質監督および強制検査の実施。
④ 製品品質の業界監督、地方監督等の管理および協調
⑤ 製品品質の検査機構の監督
⑥ 工業製品の生産許可証の管理
執行監察監督司
① 法律による、標準化、計量、品質法律または規則に違反する行為の取り締まり
② 国務院の授権による、全国における偽物を取り締まり
③ 品質技術監督の行政執行機構および人員の教育の管理並びに指導
2 直轄事業単位(※1)
3 機関機構図
本総局は、2001年に国家品質技術監督局と中華人民共和国国家出入国検査・検疫局とが合併して設立されたが、地方組織はなお従前のとおりである。
品質技術監督局
出入国検査・検疫局
4 関係法律・規則
「中華人民共和国製品品質法」 | |
「中華人民共和国計量法」 | 「中華人民共和国計量法実施細則」 |
「国際航行船舶が中華人民共和国港を出入する際の検査方法」 | |
「中華人民共和国国境衛生検査法」 | 「中華人民共和国国境衛生検査法実施細則」 |
「中華人民共和国出入国動植物検査法」 | 「中華人民共和国食品衛生法」 |
「中華人民共和国輸出入商品検査法」 | 「中華人民共和国輸出入商品検査法実施条例」 |
「中華人民共和国貨物原産地条例」 | 「特殊設備安全監察条例」 |
「中華人民共和国標準化法」 | 「中華人民共和国標準化実施条例」 |
「中華人民共和国認証認可条例」 | 「工業製品許可証条例」 |
5 主な職責
①品質管理
・「製品品質法」およびその実施条例に基づき、国家品質監督・検査・検疫総局は、製品等の品質の向上についての政策・措置を実施し、全国の品質管理業務を指導する。
・国家の品質奨励制度および「ブランド戦略」の推進を実施する。
・先進の品質管理手法および科学的な品質管理方法を普及させ、重要な工程設備における品質の監察制度を構築し、欠陥製品のリコール制度(※2)を実施し、品質レベルを評価し、企業の品質信用制度を作り、技術者の資格試験を行い、重要な製品の品質事故についての調査を行い、改善の意見を提出する。
・模造品の取り締まりについて、監督・管理をする。
②計量管理
・「計量法」およびその実施条例に基づき、国家品質監督・検査・検疫総局は、輸出入の計量器具に対して、検査・監督または管理を行う。
・法定の計量単位および国家計量制度を普及させ、国家計量基準および標準物質を制定・審査または管理を行う。
③通関管理
・国家品質監督・検査・検疫総局は対外的に開放する港湾を提案し、法律により「出入国検査検疫機構が検査・検疫を行う輸出入の商品の目録」(※3)を制定する。
・危険な貨物の輸出入、車輌および人員に対して検査・検疫の通関管理を行う。港湾で輸出入される貨物に対して「先に検査、次に通関」という貨物の検査・検疫の通関管理方法を実施している。すなわち、出入国検査検疫機関は、輸出入の貨物に対して法的な検査・検疫を行い、「輸入貨物通関書」および「輸出貨物通関書」を発行する。それに基づいて、税関は実際の通関の手続を行う。法律により、国家品質監督・検査・検疫総局は輸出入の検査・検疫の標識・封印を管理する。
④ 出入国衛生検疫管理
「出入国動植物検疫法」およびその実施条例に基づき、国家品質監督・検査・検疫総局は出入国者、車輌、コンテナ、貨物、荷物、特殊物品等に対して、衛生検疫・監督・処理、伝染病検査などを実施する。
⑤ 出入国動植物検疫管理
「出入国動植物検疫管理」およびその「実施条例」に基づき、国家品質監督・検査・検疫総局は、輸出入に係る動植物、旅客が携行、郵送する動植物およびその加工品、動植物およびその加工品、検疫対象物の包装容器・包装物・発泡材、また、疫病地域からの車輌、および法律、政令、国際条約、多国間(二カ国間)の協定、貿易協定で定められた検疫を受けるべきその他の貨物・物品に対して、検疫・監察・管理を行う。
⑥輸出入の商品検査管理
「輸出入商品検査法」およびその実施条例に基づき、国家品質監督・検査・検疫総局は、輸出入の商品およびその包装、運輸道具に対して、検査・監督・管理を行う。「出入国検査検疫機構が検査・検疫を実施する際の輸出入の商品目録」に挙げられた法定検査・監督・管理を行う。
⑦輸出入の商品の安全管理
・「食品衛生法」、「輸出入商品検査法」および関連規定に基づき、国家品質監督・検査・検疫総局は、輸出入に係る食品および化粧品の安全、衛生、品質について検査・監督・管理を行う。輸出入に係る食品、化粧品の生産単位に対して日常的な監督・管理を行う。
・輸入の商品(飲料、酒類、糖類を含めて)、食品添加剤、食品容器、包装材料、食品用工具および設備について検査・検疫し、監督・管理を行う。
⑧特殊設備の安全管理
国務院が公布した「特殊設備安全監察条例」に基づき、国家品質監督・検査・検疫総局は、ボイラー、圧力容器、圧力パイプ、エレベータ、起重機、旅客ケーブル、大型遊園地施設、機動車輌等の特殊設備の安全監察、監督業務を行う。
⑨製品品質監督管理
・「製品品質法」およびその実施条例に基づき、国家品質監督・検査・検疫総局は中国国内における全ての製品品質を監督し、抜き取り検査を行う。
・製品品質に係る業種監督、地方監督などを行う。
⑩食品生産監察管理
「製品品質法」、「食品衛生法」およびその実施条例に基づき、国家品質監督・検査・検疫総局は国内における全ての食品の生産・加工プロセスにおける安全・衛生を監督・管理する。
⑪執行監督・管理
・「製品品質法」、「標準化法」、「計量法」およびその実施条例に基づき、国家品質監督・検査・検疫総局は、品質・標準化・計量法律法規に違反する行為を取り締まる。
・国務院の授権により、模造品を取り締まる。
⑫国際交流
国家品質監督・検査・検疫総局は、品質監督・検査・検疫に係る国際協力・交流を行う。国家品質監督・検査・検疫総局は、世界の多くの国・地域の関係の主管官庁と協力関係を作り、また二カ国間の協力メカニズムを構築する。
⑬科学技術管理
国家品質監督・検査・検疫総局は、全国において、食品安全、動植物検疫、衛生検疫、工業品検査等出入国検査検疫実験室を700箇所設立している(2007年12月4日現在)。
これらの実験室は、国家品質監督・検査・検疫総局の方策に有効な技術サポートを行い、中国国民建設および対外開放の各領域において、重要な検査の技術サポートを行う。
⑭認証認可監督管理
「中華人民共和国認証認可条例」に基づき、国家認証認可監督管理委員会は、国家認証認可、安全品質許可、衛生登録および合格評定に関する法律・政令・規制を制定・発布・執行を行う。全国の認証認可業務を協調・指導し、認可機構を監督する。
⑮標準化管理
・「標準化法」および実施条例に基づき、国家標準化管理委員会は、国家標準化についての法律・規則などを起草・改正する。国家標準化業務の方針および政策を制定・執行する。
・全国標準化の管理規則・関係制度を制定し、製品の安全性等の標準化法律・規則を実施する。
6 模造品の取り締まりにおける国家品質監督・検査・検疫総局の職責
下記の行為様態に対して、国家品質監督・検査・検疫総局は、調査し、違法製品を差し押さえることができる(※4)
① 生産者は、産地を偽ってはならない。他の事業者の名称、住所を偽ってはならない。(※5)
② 生産者は、認証表示などの品質表示を偽造、詐称してはならない(※6)。
③ 生産者は、製品を生産する際に、偽物や劣悪品を混入してはならない。偽物を本物といって人を騙したり、劣悪品を優良誤認させて、人を騙したりしてはならない。不合格製品を合格製品と詐称してはならない(※7)。
④ 販売者は、産地を偽ってはならない。他の事業者の名称、住所を偽ってはならない(※8)。
⑤ 販売者は、認証表示などの品質表示を偽造、詐称してはならない(※9)。
⑥ 販売者は、製品を販売する際に、偽物や劣悪品を混入してはならない。偽者を本物といって人を騙したり、劣悪品を優良誤認させて、人を騙したりしてはならない。不合格製品を合格製品と詐称してはならない(※10)。
7 処理
①偽物を本物と偽って人を騙したり、劣悪品を優良誤認させて人を騙したりした場合には、生産・販売を取り締まり、違法生産・販売の製品を没収し、違法生産・販売製品の販売額の50%以上3倍以下の過料を課す。違法所得がある場合には、違法所得を没収しなければならない。情状が重い場合には、営業許可を取り消す。犯罪を構成する場合には、法律により刑事責任を追及する(※11)。
②製品産地を偽り、他の事業者の名称、住所を偽り、認証表示を偽り・詐称する場合には、当該詐称行為等を是正するよう命令し、違法生産、販売の製品を没収し、違法生産、販売の売上げに相当する額以下の過料を課す。違法所得がある場合には、違法所得を没収しなければならない(※12)。
「事業単位」とは、社会公益の目的で、国家機関或いは、その他の組織が国有資産を利用して作った、教育・科学技術・文化・衛生関係の社会サービス組織であり、一種の外郭団体である。
中国では、車、おもちゃ、食品、薬品がリコール制度の対象となっている。なお、2007年に起草された「欠陥製品のリコール管理条例」の草案によれば、上記製品のみならず、人身の健康に厳重な傷害を与える可能性のある製品も、リコールの対象となる見込みである。
※3
2007年12月4日現在「出入国検査検疫機構が検査・検疫を行う輸出入の商品の目録」には、食品、動物飼料添加剤および原材料等計124種類の商品が含まれている。
※4
「中華人民共和国製品品質法」 第18条 県クラス以上の製品品質監督部門は、既に入手した違法疑いの証拠或いは申出がある場合、この法律に規定されている行為に対して、下記の権限を行使することができる。
1この法律に違反する生産・販売を従事する疑いのある当事者に対して、現場の検査を行う。
2当事者の法定代表者、主な責任者およびその他の関係者から、この法律に違反する疑いのある生産・販売活動に関係する状況を調査する。
3当事者と関係のある契約、インボイス、帳簿およびその他の関係資料を調査し、複製する。
4人体健康、人身、財産安全の保障の国家基準、業界基準に適合しない製品、およびその他の厳重な品質問題がある製品、並びに直接に生産、販売に使われた原材料、包装物、生産道具に対して、差し押さえることができる。
県クラス以上の製品品質監督部門は、国務院が規定した職責範囲に基づき、この法律に違反する疑いのある行為に対して差し押さえを行う場合、上記に規定された職権を行使することができる。
※5
「中華人民共和国製品品質法」 第31条 生産者は、産地を偽ってはならない。他の事業者の名称、住所を偽ってはならない。
※6
「中華人民共和国製品品質法」 第32条 生産者は、認証表示などの品質表示を偽造、詐称してはならない。
※7
「中華人民共和国製品品質法」 第33条 生産者は、製品を生産する際に、偽物や劣悪品を混入してはならない。偽物を本物といって人を騙したり、劣悪品を優良誤認させて、人を騙したりしてはならない。不合格製品を合格製品と詐称してはならない。
「中華人民共和国刑法」 第140条 生産者、販売者が、製品において、偽物や劣悪品を混入し、偽物を本物といって劣悪品を優良誤認させ、不合格品を合格品と偽って人を騙す場合であって、売上げ金額が5万元以上20万元未満の場合には、2年以下の懲役或いは拘留に処すことができ、併せて或いは単独で売上げ金額の50%以上2倍以下の罰金に処す。売上げ金額が20万元以上50万元未満の場合には、2年以上7年以下の懲役とし、併わせて売上げ金額の50%以上2倍以下の罰金に処す。売上げ金額が50万元以上200万元未満の場合には7年以上の懲役とし、併せて売上げ金額の50%以上2倍以下の罰金に処す。売上げ金額が200万元以上の場合には、懲役15年或いは無期懲役とし、併せて売上げ金額の50%以上2倍以下の罰金に処すか財産を没収する。
「中華人民共和国刑法」 第141条 虚偽の薬品を生産し、又は販売し、人体の健康に重大な危害を及ぼす恐れを生じせしめた者は、3年以下の懲役又は拘留に処し、販売金額の50%以上2倍以下の罰金を併科し、又は単科する。人体の健康に重大な危害をもたらした者は、3年以上10年以下の懲役に処し、販売金額の50%以上2倍以下の罰金を併科する。人を死亡させ、又は人体の健康に対して特に重大な危害をもたらした者は、10年以上の懲役または無期懲役若しくは死刑に処し、販売金額の50%以上2倍以下の罰金又は財産没収を併科する。
「中華人民共和国刑法」 第147条 虚偽の農薬、虚偽の獣薬若しくは虚偽の化学肥料を生産し、虚偽であり、若しくは使用効能を失った農薬、獣薬、化学肥料若しくは種子であることを明らかに知りながらこれらを販売した者であって、若しくは、生産者又は販売者で不合格の農薬、獣薬、化学肥料若しくは種子を合格した農薬、獣薬、化学肥料若しくは種子であると偽った者であって、生産に比較的に大きな損害を被らせた場合には、3年以下の懲役若しくは拘留に処し、販売金額の50%以上2倍以下の罰金を併科し、又は単科する。生産に重大な損害を被らせた場合には、3年以上7年以下の懲役に処し、販売金額の50%以上2倍以下の罰金を併科する。生産に特別に重大な損害を被らせた場合には、7年以上の懲役又は無期懲役に処し、販売金額の50%以上2倍以下の罰金又は財産没収を併科する。
「偽造粗悪商品を製造、販売する刑事事件を処理する際に、具体的に法律の運用についての若干の解釈」
第9条他人が偽造粗悪商品を生産、販売する犯罪を知っていて、又は知るべきであったにもかかわらず、貸付金、資金、口座番号、インボイス、証明、許可証明書を提供したり、或いは生産、経営場所を提供したり、或いは運輸、倉庫保管、保管、郵送等の便宜に供する場合、或いは、偽造の技術を提供する場合には、偽造粗悪品を生産、販売する罪の共犯とみなす。
※8
「中華人民共和国製品品質法」 第37条 販売者は、産地を偽ってはならない。他の事業者の名称、住所を偽ってはならない。
※9
「中華人民共和国製品品質法」 第38条 販売者は、認証表示などの品質表示を偽造、詐称してはならない。
※10
「中華人民共和国製品品質法」 第39条 販売者は、製品を販売する際に、偽物や劣悪品を混入してはならない。偽者を本物といって人を騙したり、劣悪品を優良誤認させて、人を騙したりしてはならない。不合格製品を合格製品と詐称してはならない。
※11
「中華人民共和国製品品質法」 第50条 偽物を本物といって人を騙したり、劣悪品を優良誤認させて人を騙した場合には、生産・販売を取り締まり、違法生産・販売の製品を没収し、違法生産・販売製品の販売額の50%以上3倍以下の過料を課す。違法所得がある場合には、違法所得を没収しなければならない。情状が重い場合には、営業許可を取り消す。当該行為が犯罪を構成する場合には、法律により刑事責任を追及する。
※12
「中華人民共和国製品品質法」 第53条 製品産地を偽造し、他の事業者の名称、住所を偽り、認証表示を偽わり・詐称した場合には、当該詐称行為等を是正するよう命令し、違法生産、販売の製品を没収し、違法生産、販売の売上げに相当する額以下の過料を課す。違法所得がある場合には、違法所得を没収しなければならない。