目次
ARIPOの概要
ARIPOは、アフリカ広域知的財産機関(African Regional Intellectual Property Organization)の略称であり、英語圏を中心とするアフリカ諸国からなる知的財産に関する国際機関である。
1976年12月に、関係締約国及びアフリカ地域の工業所有権法とそれに関連する事項に関する調和及び発展の促進を図ることを目的に、アフリカの英語使用国のための工業所有権機関の創設に関する協定が採択された。その後、1981年9月にこの機関の本部がジンバブエのハラレに設立され、1985年12月に機関の名称が“ARIPO”と改められた。
実際の業務は、特許、実用新案、意匠については1982年にジンバブエのハラレで作成されたハラレ議定書、商標については1993年にガンビアのバンジュールで作成されたバンジュール議定書に基づいて行われている。
正加盟国は、ボツワナ、カーボベルデ、エスワティニ、ガンビア、ガーナ*、ケニア*、レソト、リベリア、マラウイ、モーリシャス*、モザンビーク、ナミビア、ルワンダ*、サントメ・プリンシペ、シエラレオネ*、ソマリア*、スーダン*、セーシェル*、タンザニア、ウガンダ、ザンビア*、ジンバブエである(*は、バンジュール議定書は未締結。モーリシャス、ソマリアはハラレ議定書も未締結。)。
オブザーバー国は、アルジェリア、アンゴラ、ブルンジ、エジプト、エリトリア、エチオピア、リビア、ナイジェリア、南アフリカ、チュニジアである。
ARIPO経由での出願は、複数のアフリカ諸国に一括で出願を行えるというメリットがあるため、利用価値が高い。
但し、加盟国のなかには、バンジュール議定書を締結していても、議定書の規定が国内法に存在しないために、ARIPOを経由して登録した商標権の有効性に疑問が残る国があることに注意が必要である。なお、ハラレ議定書には、本議定書の効力によって付与される特許又は登録される実用新案及び意匠は、各締約国個々に付与される国内特許、登録される国内実用新案及び国内意匠と同等の効力を有し及び同一条件の適用を受ける、との規定が新設された。
最近の動向としては、ハラレ議定書およびバンジュール議定書が、2019年11月に改正され、2020年1月1日付にて、改正の効力が発行している。なお、上記改正された議定書の効力は、2020年1月1日よりも前に出願された案件には適用されない。
出願件数 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | |
特許 | 全数[件] | 868 | 754 | 833 | 873 |
日本から[件] | 41 | 49 | 29 | 34 | |
PCT[件] | 816 | 705 | 791 | 833 | |
実用新案 | 全数[件] | 24 | 14 | 12 | 21 |
意匠 | 全数[件] | 76 | 87 | 85 | 127 |
日本から[件] | 1 | 3 | |||
商標 | 全数[件] | 408 | 342 | 510 | 672 |
日本から[件] | 2 | 2 | 2 | ||
登録件数 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | |
特許 | 全数[件] | 245 | 443 | 568 | 640 |
日本から[件] | 5 | 15 | 26 | 38 | |
PCT[件] | 236 | 421 | 547 | 610 | |
実用新案 | 全数[件] | 12 | 3 | 9 | 2 |
意匠 | 全数[件] | 66 | 71 | 87 | 94 |
日本から[件] | 1 | 3 | |||
商標 | 全数[件] | 226 | 200 | 305 | 511 |
日本から[件] | 1 | 2 | 3 |
(出典:WIPO IP Statistics)
ARIPOの各制度の概要
取り扱う知的財産権の範囲は、特許、実用新案、意匠、商標、伝統的知識、著作権である。
特許、実用新案、意匠、商標の四法について、下記の表にまとめた。
特許 | 実用新案 | 意匠 | 商標 | |
現地代理人の必要性 | 要 | 要 | 要 | 要 |
出願言語 | 出願言語制限なし、但し出願から2か月以内に英訳提出 | 英語 | ||
実体審査制度 | 有 | 有 | 無 (各国に委ねる) |
有 |
存続期間 | 出願から20年 | 出願から10年 | 出願から10年 | 出願から10年 (その後10年ごとに延長可) |
グレースピリオド | 有 | 無 | 有 | 無 |
異議申立 | 無 | 無 | 無 (各国に委ねる) |
公告から3月 |
無効審判 | 無 | 無 | 無 | 無 (各国に委ねる) |
特許制度の概要
締約国
ボツワナ、ガンビア、ガーナ、ケニア、レソト、マラウイ、モザンビーク、ナミビア、シエラレオネ、スーダン、スワジランド、タンザニア、ウガンダ、ザンビア、ジンバブエ
出願書類と言語
■出願書類は、①願書、②明細書、③請求の範囲、④要約、⑤図面(必要な場合のみ)である。
■他に、⑥委任状(認証は不要、出願日から2ヶ月以内)、⑦優先権証明書(出願日から3ヶ月以内)、⑧優先権証明書の英訳文(出願日から6ヶ月以内)の提出が必要である。また、発明者が出願人でない場合には、⑨譲渡証(Statement)の提出が必要である。第一カ国の出願人名とARIPO出願の出願人名とが異なる場合には、⑩優先権譲渡証の提出が必要である。
■手続言語に制約は無いが、出願日から2か月以内に英訳の提出をしなければならない。
■願書には、出願人の名称・住所、発明者の氏名・住所、保護を求める国の指定、優先権主張の場合はその情報等を記載する。
出願の形式
■直接ルートでも、PCTルートでも出願可能である。
(i) 直接ルート
ARIPO出願を、ARIPO事務局又は締約国の特許庁に対して行う。
(ii) PCTルート
① PCT出願後、優先日から31ヶ月以内に、ARIPO事務局へ手続きを行う。
② PCT出願の明細書、請求の範囲、要約、図面の文言の英訳を提出する。
③ 指定国料金を優先日から31ヶ月以内に支払う。
■特許付与又は拒絶の前であればいつでも、1回に限り実用新案出願に変更することができる。
出願から登録までの流れ
(i) 締約国の特許庁に出願した場合は、書類が出願日を付与するための要件を満たすか否かのチェックを締約国の特許庁が行い、出願証明書を出願人の代理人に送付し、出願書類をARIPO事務局に送付する。
(ii) ARIPO事務局は、まず方式要件について審査を行う。方式要件の不備を発見した場合には、出願人にその旨を通知し2ヶ月以内に補正すべき旨を命じる。出願が方式要件を満たしている場合には、ARIPO事務局は各指定国の特許庁にその旨を通知する。
(iii) また、出願日から18ヶ月経過後に出願公開される。なお、料金の納付を条件として、早期公開の申請を行うことが可能である。
(iv) 方式要件を満たしているものについては、実体審査が行われる。審査請求制度はない。ARIPO事務局が特許要件(新規性、進歩性、産業上利用可能性、明確性、サポート要件など)の有無ついての調査を自ら行って、又はEPO等の外国で行うように手配して行っている。また、出願人に対して対応外国出願の審査結果情報の提出を要求することがある。
出願人が提出した補正書等によっても、依然として特許要件を満たしてしないと判断された場合、出願は拒絶される。
出願人がこの拒絶に不服を有する場合には、その通知の日から2ヶ月以内に再審査を請求することができる。
② この再審査の請求後、依然として拒絶理由が解消されていないと判断された場合、出願人はその決定の日から3ヶ月以内に、不服を申立て(Appeal)をすることができる。
③ 再審査請求後に出願が拒絶された場合、出願人はその通知から3ヶ月以内に、各指定国における国内出願として取り扱う旨を請求することができる。
④ 特許を付与すべき旨の判断した場合、ARIPO事務局は出願人及び出願人が指定した指定国に特許の旨を通知する。この特許付与の決定に対して、出願人は6ヶ月以内に特許付与の料金を納付する。また、各指定国において、国内法の要件に適合していない場合には、その指定国で効力を有さない旨がその指定国からARIPO事務局に通知される。
⑤ 特許を付与すべき旨の通知から6ヶ月の期間満了後に、特許料が納付された場合には、ARIPO事務局は特許を付与する。特許権は指定国(上記④の通知をした指定国を除く)で有効となる。
対応外国出願との関係
■新規性及び進歩性の判断を容易にするために、ARIPO事務局から請求があれば出願人は、他の国における対応出願に関する情報を提出する義務がある。ARIPO事務局からの請求があれば出願人は、同一の発明又は本質的に同一の発明に関する特許出願等を、他の国内又は広域工業所有権官庁に対して行っている場合、その出願の日付及び番号を所定期間内に提出しなければならない。
■ARIPO事務局から請求があれば出願人は、対応出願に関する調査若しくは審査の結果等を所定の期間内に提出しなければならない。
■出願のクレームが、対応する米国特許商標庁、欧州特許庁又はPCTに基づく国際予備審査機関で示したものと同じ先行技術を克服して認められたクレーム範囲と同一である旨、又は補正によって同一範囲になった旨を表示すれば、審査において有益である。
■PCT各国移行の出願の場合、国際調査報告と国際予備審査報告のコピーを提出することが推奨される。すべての出願において、出願人は審査手数料を支払うか他国の関連出願の審査結果を提出するかどちらかを選択できる。PCT出願の場合は、他国の審査結果の代わりに国際予備審査報告のコピーを提出することができる。
■特許出願から登録まで33~40ヶ月かかる。審査請求から登録まで12ヶ月かかる。また登録から通知までは6ヶ月である。
(出典:一般社団法人 日本国際知的財産保護協会 AIPPI・JAPAN 「アフリカ諸国における知的財産権制度運用実態及び域外主要国による知財活動に関する調査研究報告書」)
・審査官は、PCT国際段階での審査結果および対応外国出願の審査結果を参考にする傾向がある。そのため、早めに対応外国出願で特許査定を得ることが好ましいといえる。
生物寄託について
■微生物に関する特許出願について、施行規則の規則6の2に規定されている。
■発明を実施するために微生物の使用を必要とする特許出願の明細書について、(a)特許出願日に当該微生物が一般に入手できず、かつ、(b)当業者が実施できるように記載できない場合は、以下の場合に限り当該発明は開示されているとみなされる。
(i) 出願日までに微生物の培養物が国際寄託機関に寄託され、
(ii) 当該寄託機関の名称、寄託日及び受託番号が出願書類に記載されている場合。
■上記(ii)に規定する情報が、提出された出願書類に含まれていない場合は、当該情報を、ARIPO事務局に対し、次のいずれか早い時期に提出する必要がある。
(a) 出願日から16ヶ月以内又は優先権が主張される場合は優先日以降、
(b) ARIPO事務局が、規則3に基づく当該出願に関わる情報及び閲覧の要求を受けた場合は、事務局から出願人への当該要求受領の旨の通知から1ヶ月以内。
■PCT出願の出願書類(明細書等)に上記(ii)に規定する情報が記載されている場合、ARIPOへの移行時に受託証の原本又は写しを提出する必要はない。
統計
・2016年の特許出願件数は、697件(PCTルート657件、直接ルート40件)であり、そのうち680件が在外者による出願である。最も多いのは米国からの出願であり、204件である。日本からの出願は21件である。
・2016年の特許登録件数は、468件であり、そのうち462件がPCTルートで出願されたものである。
・2016年時点の有効特許件数は、3421件である。
・2016年の特許出願における分野(IPC)のトップ3は、クラスC(化学;冶金)38%、クラスA(生活必需品)16%、クラスB(処理操作;運輸)11%である。
その他
・分割出願を行うことが認められている。但し、分割出願時には、原出願について既に発生している維持年金の全額納付が要件となっている。
・ARIPOに対して先行技術調査を行うことが可能である。なお、調査費用は、300USドルである。
実用新案制度の概要
締約国
ボツワナ、ガンビア、ガーナ、ケニア、レソト、マラウイ、モザンビーク、ナミビア、シエラレオネ、スーダン、スワジランド、タンザニア、ウガンダ、ザンビア、ジンバブエ
出願書類と言語
■出願書類は、①願書、②明細書、③請求の範囲、④要約、⑤図面又は模型である。
■他に、⑥委任状(認証は不要、出願日から2ヶ月以内)、⑦優先権証明書(出願日から3ヶ月以内)、⑧優先権証明書の英訳文(出願日から6ヶ月以内)の提出が必要である。また、考案者が出願人でない場合には、⑨譲渡証(Statement)の提出が必要である。第一カ国の出願人名とARIPO出願の出願人名とが異なる場合には、⑩優先権譲渡証の提出が必要である。
■手続言語に制約は無いが、出願日から2か月以内に英訳の提出をしなければならない。
■願書には、出願人の名称・住所、考案者の氏名・住所、保護を求める国の指定、優先権主張の場合はその情報等を記載する。
出願の形式
■特許と同様に、直接ルートでも、PCTルートでも出願可能である。
■実用新案の出願の拒絶又は登録以前であればいつでも、特許出願に変更することができる。
出願から登録までの流れ
(i) 特許と同様に、ARIPO事務局は、まず方式要件について審査を行う。
(ii) 方式要件を満たしているものについては、実体審査が行われる。審査請求制度はない。ARIPO事務局が実用新案の要件(新規性、産業上利用可能性、明確性、サポート要件など)の有無ついての調査を自ら行って、又はEPO等の外国で行うように手配して行っている。また、出願人に対して対応外国出願の審査結果情報の提出を要求することがある。基本的な流れは特許と同様である。実用新案権は指定国(上記④の通知をした指定国を除く)で有効となる。
(iii) 一定の要件が満たされている場合には、最長で1年間、実体審査開始の延長を申請することが可能である。
統計
2016年の実用新案出願件数は、29件(ジンバブエから22件、ケニアから3件、南アフリカから1件、スワジランドから1件、ロシアから1件、イギリスから1件)である。日本からの出願は0件である。
2016年の実用新案登録件数は、2件である。
意匠制度の概要
締約国
ボツワナ、カーボベルデ、エスワティニ、ガンビア、ガーナ、ケニア、レソト、リベリア、マラウイ、モザンビーク、ナミビア、ルワンダ、サントメ・プリンシペ、シエラレオネ、スーダン、セーシェル、タンザニア、ウガンダ、ザンビア、ジンバブエ
※締約国のなかには、ARIPOを経由した意匠の保護を特に規定する国内法が存在しないため、ARIPO出願を通じた意匠の保護が受けられるかどうかについては不確実な国がある。
出願書類と言語
■出願書類は、①願書、②図面である。
■他に、③委任状(認証は不要、出願日から2ヶ月以内)、④優先権証明書(出願日から3ヶ月以内)、⑤優先権証明書の英訳文(出願日から6ヶ月以内)の提出が必要である。また、創作者が出願人でない場合には、⑥譲渡証(Statement)の提出が必要である。
■手続言語に制約は無いが、出願日から2か月以内に英訳の提出をしなければならない。
■立体的形状の意匠も保護を求めることができる。
■願書には、出願人の名称・住所、創作者の氏名・住所、意匠の物品名、保護を求める国の指定、優先権主張の場合はその情報等を記載する。
出願の形式
ARIPO事務局又は締約国の特許庁に対して行う。
出願から登録までの流れ
(i) 締約国の特許庁に出願した場合は、書類が出願日を付与するための要件を満たすか否かのチェックを締約国の特許庁が行い、出願証明書を出願人の代理人に送付し、出願書類をARIPO事務局に送付する。
(ii) ARIPO事務局は、方式要件について審査を行う。方式要件の不備を発見した場合には、出願人にその旨を通知し2ヶ月以内に補正すべき旨を命じる。出願が方式要件を満たしている場合には、ARIPO事務局は各指定国の特許庁にその旨を通知する。
(iii) 方式要件を満たしていると判断された場合には、出願人は6ヶ月以内に意匠登録の料金を納付する。また、各指定国において、意匠が新規性を有していない等の理由により国内法の要件に適合していない場合には、その指定国で効力を有さない旨がその指定国からARIPO事務局に通知される。
(iv) 上記通知から6ヶ月の期間満了後に、意匠登録料が納付された場合には、ARIPO事務局は意匠権を付与する。意匠権は指定国(上記(iii)の通知をした指定国を除く)で有効となる。
実体審査の有無
なし
出願から登録までの期間
12~18ヶ月
存続期間
出願日から10年
商標制度の概要
締約国
ボツワナ、カーボベルデ、エスワティニ、ガンビア、レソト、リベリア、マラウイ、モザンビーク、ナミビア、サントメ・プリンシペ、タンザニア、ウガンダ、ジンバブエである。
※締約国のなかには、バンジュール議定書を締結していても、議定書の規定が国内法に存在しないために、ARIPOを経由して登録した商標権の有効性に疑問が残る国があることに注意が必要である。
※事後指定が可能
出願書類と言語
■出願書類は、①願書、②商標見本である。
■他に、③委任状(認証は不要、出願日から2ヶ月以内)、④優先権証明書(出願日から3ヶ月以内)、⑤優先権証明書の英訳文(出願日から6ヶ月以内)の提出が必要である。また、原則として、商標の現実の使用又は使用意思が必要で、出願の際には証拠書類等の提出が必要である。
■手続言語は英語である。
■願書には、出願人の名称・住所、保護を求める国(指定国)、保護を求める商品又は役務及びその区分、優先権主張の場合はその情報等を記載する。
■1つの出願において複数の類に属する商品又は役務を指定することができる。
■ニース国際分類を採用している。
■立体的形状の商標も保護を求めることができる。
出願の形式
ARIPO事務局又は締約国の特許庁に対して行う。
出願から登録までの流れ
(i) 出願が有効に受理されるためには以下の要件が満たされていなければならない。
・出願人を特定する情報が願書に記載されていること
・商標が出願書類に含まれていること
・出願の際に保護を求める国を指定していること。
要件に不備がある場合、ARIPO事務局は出願人が瑕疵を修正するために2週間の猶予期間を認める。出願人が期限までに修正を行わなかった場合、出願は拒絶されることになる。
(ii) この通知に対して、指定国の特許庁はその通知から9ヶ月以内に、国内法に基づいて出願を審査することができる。指定国の特許庁が出願を拒絶するとの判断をした場合、その旨がARIPO事務局に通知される。出願人は、出願拒絶の決定に対して当該指定国に直接応答する機会が与えられ、再審査される。
(iii) 指定国により容認された出願は、公報で公告される。
(iv) 出願公告があった後、出願人は3ヶ月以内に登録料を納付することにより、出願はARIPOの商標原簿に登録される。商標権は指定国(上記(ii)で拒絶が確定した指定国を除く)で有効となる。
存続期間
出願公告日から3ケ月
※議定書に定められた3ヶ月なのか、一定の締約国の国内法に規定された2ヶ月なのか不透明な状況
※期間延長は不明
登録の更新
存続期間は出願日から10年間である。
登録は更新手数料を納付することにより、再度10年間、存続期間を更新することができる。
注目事件(商標登録の重要性について)
タンザニアで第三者の出願した「TIFFANY」(3類、5類)に対し、TIFFANY社が異議申立てをしたが、「TIFFANY」の同国での使用証明ができず、また、同国での3類、5類における著名性が立証できなかったため、取消できなかった。
タンザニアのような国では、著名商標の所有者は商標の権利化すべきである。
検索データベースについて
ARIPOのHPで、特許、実用新案、意匠、商標について、検索(Quick SearchおよびAdvanced Search)を行うことができる。
また、2015年3月以降の公報(月1回発行)を閲覧およびダウンロードすることができる(案件毎ではなく、その月の案件一括)。
参考
- (i) アフリカ広域知的財産機関HP:http://www.aripo.org/
- (ii) 日本貿易振興機構(JETRO)HP:https://www.jetro.go.jp/indexj.html
- (iii) 新興国等知財情報データバンク HP:http://www.globalipdb.inpit.go.jp/
- (iv) 外国産業財産権侵害対策等支援事業HP:http://www.jpo.go.jp/index/kokusai_doukou/iprsupport/index.html
-
弁理士 スペシャリスト 鷲見 祥之