将来の社会に大きな変革をもたらすことが期待されている量子技術は、近年著しい発展を遂げており、特許権の存続期間である20年以内に工業製品等として実用化される可能性も見え始めて参りました。
これに呼応するように、我が国の内閣府も、量子技術を「我が国の経済・産業・安全保障を飛躍的に発展させる可能性を持つ重要技術」と位置づけ、「国を挙げて総合的かつ戦略的に推進」するという方針を示しております(「量子技術イノベーション戦略」の中間報告)。
2020年1月には、「量子技術イノベーション戦略」の最終報告において、量子技術イノベーション実現に向けた5つの戦略(①技術開発戦略、②国際戦略、③産業・イノベーション戦略、④知的財産・国際標準化戦略、⑤人材戦略)が示されました。また、同報告においては、ゲート型量子コンピュータ、固体量子センサ、量子通信・暗号リンク技術等々の領域毎に、20年後の実用化を見据えた具体的な技術ロードマップが示されています。
最早、量子技術は、単なる研究対象としてではなく、知的財産として捉えることが必要なフェーズに突入した、と言えます。
量子技術を萌芽的な段階で権利化すれば、将来の市場における強力な支配力を獲得できる可能性があります。しかしそのためには、世界の研究開発動向を見据えたうえで、オープンにするべき技術とクローズにするべき技術とを適切に峻別するなど、量子技術に対する深い理解に基づく知財戦略が不可欠になります。このようなニーズにお応えするべく、当特許事務所では、量子技術支援室を設けており、積極的にサービスを提供しております。
当支援室では、量子物理学、量子情報理論、量子通信技術、量子暗号技術、量子材料工学、量子物性物理、高エネルギー物理学等に精通したメンバーが、御社における量子技術分野の発明相談、権利取得、権利活用等の各種業務をサポート致します。量子技術に特化した知財戦略サービスをご提供いたします。
また、当所では、研究土壌の保護、あるいは、他社の研究への牽制等の所謂、『守りの知財戦略』から、侵害訴訟、技術の譲渡・使用許諾の交渉等、積極的な知財の運用、すなわち、『攻めの知財戦略』への変革が重要であると考えます。
当所量子技術支援室では、この『攻めの知財戦略』に有用な知財戦略の提案を通じ、量子技術分野における知財運用を、ビジネス戦略参謀として全面的にバックアップいたします。
室 長:博士(理学)永田和広 <東京本部所属>
対応可能分野
量子通信・量子暗号:量子暗号鍵、量子誤り訂正、量子通信制御、量子メモリ
量子ビット・量子ゲート:量子回路、量子ビット共振器、量子ゲート操作
量子デバイス・量子マテリアル:量子ドット、トポロジカル物質、強相関電子系、超電導
量子センシング:原子時計、光格子時計、もつれ光
粒子線工学:ビーム制御、粒子線医療、粒子検出器