外国の意匠制度

海外意匠出願の必要性

(1)製品の輸出・販売先の各国での実施を確保する

属地主義(各国の法律適用範囲はその国の領域に限定されるという主義)

意匠権は国ごとに成立し、原則として登録を受けた国に限り効力が及びます。日本で意匠権を取得した場合、効力が及ぶのは日本国内に限られます。したがって、中国やアメリカなどの外国で意匠の実施を確保するためには、それぞれの国において意匠権を取得していなければなりません。

意匠権が国ごとに独立して成立することから、日本で意匠権を取得している意匠であっても、外国で他人に自己の意匠と同一類似の意匠について意匠権を取得されてしまうと、当該意匠権を有する自己の製品を日本から外国へ輸出した場合、その国の他人の意匠権の侵害となってしまい、差止・損害賠償を請求される危険性があります。

各国意匠の独立

意匠権は各国の国内法令に基づいて審査*、登録されるため、日本で出願した意匠が拒絶・消滅したからといって、外国で出願・登録された意匠が無効・消滅することはありません。反対に、ある意匠について日本で意匠権が登録されたからといって、必ず外国でも登録されるとは限りません。

*欧州等無審査の国もあります

(2) 製品の輸出・販売先の各国で模倣品を排除する

外国で模倣品が製造販売されていることを発見しても、当該国における意匠権を取得していない場合、意匠権に基づく差止等を行うことができません。このような問題を防止するためには、製品を輸出する予定の国や模倣品が出回っている国において、意匠権を取得しておくことが必要となります。

関連記事

TOP