外国の商標制度

大韓民国(韓国)の商標制度

大韓民国にて商標権の権利保護を行う際に役立つ情報を、以下に掲載しております。
本ページが、お客様が海外で知財保護を行う上での一助となれば幸いです。ぜひお役立て下さい。

韓国における商標登録出願・審査状況

①2022年商標登録出願件数:259,078件
②2022年商標審査期間:13.9ヶ月

関係法令

・商標法
 https://www.law.go.kr/LSW/lsInfoP.do?lsId=001870&ancYnChk=0#0000

・商標法施行令
 https://www.law.go.kr/LSW/lsInfoP.do?lsId=003823&ancYnChk=0#0000

・商標法施行規則
 https://www.law.go.kr/LSW/LsiJoLinkP.do?lsNm=%EC%83%81%ED%91%9C%EB%B2%95+%EC%8B%9C%ED%96%89%EA%B7%9C%EC%B9%99&paras=1&docType=JO&languageType=KO&joNo=002800000#

日韓商標制度比較

  韓国 日本
パリ条約
マドプロ
ニース協定
国際分類
審査制度
多区分出願
出願公開制度 ×
商標の種類 記号、文字、図形、音、匂い、立体的形状、ホログラム・動作又は色彩等(商品の出所を示す為に使用するすべての表示) 文字、図形、記号、立体的形状若しくは色彩又はこれらの結合、音等
商標法の保護対象 商品、役務、団体商標、地理的表示、証明標章、業務標章 商品、役務、団体商標、地域団体商標、防護標章
権利付与の原則 先願主義 先願主義
出願人が在外者の場合の現地代理人の必要性 必要 必要
委任状 必要
※出願後提出可
※包括委任状制度あり
不要(審判段階で必要)
出願言語 韓国語(ハングル) 日本語
存続期間 登録日より10年
※更新可
登録日より10年
※更新可
不使用取消期間 3年
※何人も請求可
3年
※何人も請求可
異議申立期間 公告日より2ヶ月(登録前)
※何人も異議申立可
公報発行日より2ヶ月(登録後)
※何人も異議申立可
無効審判制度
※利害関係人および審査官のみ請求可

※利害関係人のみ請求可
部分拒絶制度
※2023年2月4日より施行
×
再審査請求制度
※2023年2月4日より施行
×

その他

  • 韓国には指定商品追加登録制度があり、登録商標または出願中の商標の指定商品、指定役務を追加しようとするときには、追加登録出願をすることができる。

韓国商標の検索

・KIPRIS (Korea Intellectual Property Right Information Service)
 韓国語版:http://www.kipris.or.kr/khome/main.jsp
 英語版 :http://eng.kipris.or.kr/enghome/main.jsp

韓国特許庁(KIPO)及び韓国特許情報院(KIPI)が提供する上記KIPRISのウェブサイトで韓国商標を無料で検索することができます。商標に限らず、特許、意匠も検索できます。韓国語版だけでなく英語版があって便利です。検索したいキーワードを入力し、検索してみてください。

韓国の商標制度に関するQ&A

Q:業務標章とは何ですか?

A:
「業務標章」とは、大韓赤十字社などのように営利を目的にしない業務を営む者がその業務を現わすために使う標章(記号、文字、図形など)を言います(韓国商標法第2条第1項第4号)。
例:韓国消費者保護院、YMCA、ロータリークラブ

業務標章登録を受けようとすればその業務の経営事実を立証する書面(例 : 法人の場合には「定款」)を添付した「商標登録の出願書(業務標章の見本付着)」を特許庁長に提出しなければなりません。

Q:団体標章とは何ですか?

A:
「団体標章」とは、商品を生産・製造・加工・証明または販売することなどを業として営む者やサービス業を営む者が共同で設立した法人が直接使うためや、そういった法人の監督下にある所属団体員が自分の営業に関する商品またはサービス業に使うための標章を言います(韓国商標法第2条第1項第3号)。

Q:1商標1出願主義とは何ですか?

A:
商標登録出願は、韓国の産業資源部令が定める商品類の区分内で商標を使う1または2個以上の商品を指定して商標ごとに出願しなければならず、これを1商標1出願主義の原則と言い、1つの出願書に同時に2以上の商標を出願することは認められないことを意味します。 2以上の商標を出願するためにはそれぞれ別に商標登録出願をしなければなりません(韓国商標法第10条)。

1商標1出願主義の原則は、新規商標登録出願、指定商品の追加登録出願、商標権の存続期間の更新登録出願に適用される基本原則です。

Q:商標権更新登録をするためにはどうすれば良いですか?

A:
商標権更新登録手続き
– 商標権の更新登録のためには商標権存続期間満了前1年以内に更新登録出願書を作成して提出しなければなりません。ただ、この期間内に更新出願をしない場合には存続期間満了後 6ヶ月以内に存続期間の更新登録出願をすることができます(韓国商標法第43条)。
– 商標更新登録出願書を提出する場合、出願人の出願人コード上の人的情報が登録原簿上の登録権者の人的事項記載内容と異なっている場合には、韓国商標法施行規則上の「登録名義人表示変更(更正)登録申込書」を提出して登録名義人表示変更または更正手続きを行わなければなりません。 つまり、出願人コード上の人的情報と一致しない場合には、「出願人情報変更(更正) 申告書」を提出して情報を一致するように変更(更正)しなければなりません。

Q:指定商品の追加登録出願の方法を説明してください。

A:
商標で使う商品の指定
– 商標登録出願をする場合には、保護を受けようとする商標と韓国の産業資源部令で定める商品の区分内で、その商標を使う商品を1つ又は複数の商品を指定しなければなりません(韓国商標法第47条)。
– 韓国商標法の施行規則の別表では第1類から第34類まで34個類の商品の区分と、第35類から第45類まで11類のサービス業類の区分が明示されています。
韓国は、標章の登録のための商品及びサービス業の国際分類に関するNICE協定で決める国際商品分類(NICE分類)を採用しています。

指定商品の追加登録出願
– 商標登録出願人は、商標登録出願の時に1個または2個以上の商品を同時に指定することができますが、商標登録出願後または商標登録後に指定商品を追加する必要がある場合、改めて指定商品を追加するための出願を行うことができます。

Q:ホログラムや動作商標も商標出願が可能でしょうか?

A:
2007年7月1日からホログラム商標、動作商標、色彩だけで構成された商標も韓国商標法の保護対象に含まれます。(韓国商標法第2条第1項第1号)

Q: 韓国では早期審査制度を利用できますか?

A:
韓国では、早期審査制度は2009年に導入されています。導入以来早期審査の請求件数は増加傾向にあり、2019年には導入年の約12倍にあたる7,595件の請求がありました。 2019年に要件が緩和され、出願人は信用ある機関における先行商標調査報告書を提出すれば、早期審査請求ができるようになりました。 通常審査ではFAまで約7ヶ月ですが、早期審査の場合は2ヶ月程度まで短縮されます。

早期審査請求の要件として挙げられている主な例は、以下の通りです。

1. 出願人が全ての指定商品/役務について出願商標を使用している(又は、明らかに使用の準備をしている)こと
2. 出願人が先行登録商標権者より類似商標に係る警告書を受けていること
3. 商標出願が他の条約国において優先権主張の基礎となっていること

また、出願人が信用された専門機関による先行調査結果を提出すること(専門機関に調査結果を通知するように要請した場合)により、優先的に審査を受けることも可能です。

Q: 部分拒絶制度とは何ですか?

A:
部分拒絶制度は新しく導入された制度で、2023年2月4日に施行されました。従来は、指定商品の一部に拒絶理由があっても、出願全体が拒絶されていましたが、この制度の導入により、商標出願の指定商品の一部に拒絶理由があるときは、その指定商品のみ拒絶されるようになりました。よって、拒絶決定に承服する場合、出願人は特に手続きをしなくても、拒絶確定後に、拒絶理由がない指定商品のみ登録を受けることができます。

ただし、この制度は、拒絶理由がない指定商品のみを先に公告決定/登録決定するものではありません。拒絶確定まで数ヶ月待つ必要があるため、拒絶理由がない商品を早期登録したい場合は、拒絶された指定商品を削除補正するか、分割出願をおすすめします。

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