目次
はじめに
インドにて商標権の権利保護を行う際に役立つ情報を、以下に掲載しております。
本ページが、お客様が海外で知財保護を行う上での一助となれば幸いです。ぜひお役立てください。
インドにおける商標権
(1)保護対象
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- 商品商標に加えて、役務商標も保護される(第2条(1)(zb))
- 文字商標・図形商標・立体商標に加えて、位置、ホログラム、味、音、色彩、香り商標も保護対象となる(商標法第2条(1)(zb), (m))。
- 証明商標*(第2条(1)(e))、団体商標(第2条(1)(g))、連合商標(商標法第2条(1)(c))の制度がある。
*証明商標とは、証明商標とは、証明商標の所有者が定めた一定基準(たとえば素材、製造方法や品質)に適合する商品又はサービスを識別するために使用される商標。
(2)出願
- インドにおいて商標権を取得するためには、商標登録局に直接出願する方法と、インドを指定したマドリッド協定議定書に基づく国際商標登録出願(マドプロルート)がある。
- 直接出願の場合、商標出願書類の提出を受け付ける窓口(商標登録局)が5ヶ所に設けられており、それぞれ管轄する地域が定められている。外国に居住する出願人の場合は対応するインドの現地代理人となる弁理士の住所により出願の管轄局が決まる。
- パリ条約に加入しているため、日本での出願に基づく優先権の主張が可能である。
- 日本と同様に、1出願1商標制度を採用しているが、1出願で多区分を指定することができる(商標法第18条)。
(3)審査
- 追加料金を支払うことによって、早期審査の請求ができる(商標規則384(1))。
- 実体審査の段階では、絶対的拒絶理由と相対的拒絶理由について審査が行われる。
- 拒絶理由通知に応答した場合、商標局からヒアリングを求められることがある。
- 審査の結果、拒絶査定となった場合には、審判請求することできる(商標法第91条)。
- 付与前異議申立制度を採用しており、公告日から4ヶ月以内 であれば、何人も異議申し立てをすることができる(商標法第21条)。
<平均的な審査期間> ※2018年3月時点
出願から最初の通知まで:早いケースで約1年半、遅いケースでは3年以上
(4)登録後
- 存続期間は出願日から10年。
- 更新時の審査においては、商標が実際に使用されているかは審査されない。
- 利害関係人は、無効審判を請求することができる(商標法第57条)。
- 不使用期間が5年となれば不使用取消審判の対象となる(商標法第47条)。
- 登録商標の所有者の代理人又は代表者が委任を受けずに自己の名義で標章を登録等するときは、当該所有者は、出願された登録に対して異議を申し立てることができる(商標法第146条)。ただし、当該行為を知ってから3年以内にする必要がある。
マドリッド協定議定書・個別手数料の改定について
マドリッド協定議定書に基づく国際商標登録出願について、インドを指定した場合の個別手数料が、2023年8月13日より下記のとおり改訂された(単位はスイスフラン)。
出願時 | 金額 | 更新時 | 金額 | |
改訂前 | 1区分毎に | 124 | 1区分毎に | 124 |
改訂後 | 1区分毎に | 110 | 1区分毎に | 110 |