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意匠公報
意匠公報とは
意匠公報は、意匠権の設定登録の日から約2週間程度で発行される公報のことです。この公報発行により、登録された意匠が一般に公開されることになります。
意匠公報に記載されるのは、
- 意匠権者の氏名及び住所
- 出願番号及び出願日
- 登録番号及び登録日
- 願書(※)及び願書に添付した図面
※願書には、「意匠に係る物品」や「創作者の氏名及び住所」、「意匠に係る物品の説明」、「意匠の説明」が項目毎に表示されており、登録された意匠がどのような製品であるのかが分かるように記載されています。
ただし、秘密意匠制度を利用している場合、願書及び願書に添付した図面については秘密期間の経過後に公開されることになっています。つまり、秘密期間が経過するまで、どのような製品について、どのような形状で登録されたのかは公開されません。
意匠公報の発行について
意匠には公開公報がないため、出願を取り下げた場合や拒絶になった場合は公開されません。
ただし、出願後に特許庁から協議指令を受けた出願であって、協議不成立により拒絶査定になった意匠については、協議不成立意匠出願公報が発行されます。
意匠公報の検索方法について
意匠公報は特許や実用新案、商標と同様に、INPIT(独立行政法人工業所有権情報・研修館)が提供するJ-PlatPat(特許情報プラットフォーム)にアクセスして、意匠登録番号や意匠権者を入力し検索することにより入手できます。特許庁ホームページのサイトマップからもJ-platPatにアクセス可能です。
検索結果が一覧表示された場合には、公報を表示したい意匠登録番号のリンクをクリックすることにより該当番号の公報情報が表示されます。
なお、J-PlatPatの検索結果に表示される代表図は、願書に添付した図面から任意に選択されたものであり、出願人から代表図の指定はできません。
意匠公報の項目について
意匠公報の主要な項目例は以下の通りです。
- [出願日]…意匠出願をした日であり、新規性・創作非容易性の判断基準日となります。
- [登録日]…意匠権の設定登録日であり、権利維持のための年金の納付期限の計算基準日になります。
- [意匠に係る物品]…保護を受ける対象の物品が掲載されます。
- [意匠分類]…物品等を用途で分類したもので、特許庁が付与した分類コードが掲載されます。
- [国際意匠分類]…WIPOが管理するロカルノ協定に基づき定められた分類で、特許庁が付与したコードが掲載されます。
- [関連意匠の意匠登録番号]または[基礎意匠の意匠登録番号]…公報発行時点における本意匠・関連意匠の関係がある意匠登録番号が掲載されます。
- [新規性喪失の例外の表示]新規性喪失の例外規定の適用を受けた場合に掲載されます。
- [意匠に係る物品の説明]…意匠に係る物品の使用目的や使用方法等が掲載されます(意匠に係る物品が一般的な物品の場合には、願書の記載を省略することがありますので、公報に掲載されない場合があります)。画像及び建築物の意匠については、用途の記載が必須とされています。
- [意匠の説明]…一部又は全部が透明である場合や形状が変化する場合、大きさの記載を必要とする場合、図の一部が省略されている場合の説明、部分意匠において「意匠登録を受けようとする部分」の特定方法が掲載されます。(願書に意匠の説明が記載されていない場合は掲載されません。)
*[意匠分類]、[国際意匠分類]について詳しくはこちらをご覧ください。
その他注意点
意匠公報には、公報発行時点の情報が記載されます。
そのため、公報発行後に関連意匠が設定されたり、権利移転があったりした場合は、公報には反映されないことに注意が必要です。公報発行後に関連意匠に設定されたものは、意匠公報では反映されません。J-PlatPat(特許情報プラットフォーム)にて、本意匠と関連意匠の関係性の最新情報が確認できます。