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中小企業に模倣品対策は必要?
「模倣品問題=大企業や高級ブランドだけの問題」ではありません。昨今では、模倣品被害に遭う大企業と中小企業の割合に大きな差はなく、優れた商品を提供している中小企業が模倣品被害に遭うケースも増加しています。
企業規模別の模倣品被害率(特許庁HPより)
模倣品被害の多くは商標権侵害
知的財産権には、商標権の他にも特許権や意匠権、著作権などがありますが、模倣品被害のトップは商標権侵害です。模倣品業者によって、商品やパッケージが酷似した模倣品が製造・販売されているのです。
ここで、商標権侵害によって税関で差し止められた模倣品を見てみましょう。
(税関HPより)
上はゼブラ(株)の油性マーカーの模倣品、下はリヴァーライト ヴィ リミテッド パートナーシップのバッグの模倣品です。
このように、外観だけでは真偽がわかりにくいですが、品質は真正品より大きく劣っているのが通常です。
模倣品被害とは?
それでは、自社商品の模倣品が出回った場合、どのような被害が想定されるのでしょうか。模倣品業者は低品質の素材を使っていたり、製造コストを抑えて製造していたりするため、真正品に比べて安価になります。真正品と模倣品の区別が難しい場合、一般に消費者は安価な模倣品を選んでしまう場合もあります。
その結果、
・真正品の売り上げが減る→利益やマーケットシェアの低下
・劣悪な模倣品を購入した消費者からクレームが来る→ブランドイメージの崩壊
といった事態が想定されます。
商標に蓄積された顧客の信用は、長年の企業努力の賜物。しっかり模倣品対策をして、顧客の信用を守りましょう。
模倣品対策に費やすコスト
昨今では、模倣品対策を積極的に行う企業が増えてきました。それに伴い、企業が模倣品対策に費やすコストも増加傾向にあります。模倣被害対策費を支出した企業における1社あたりの平均支出額は、2014年度では約720万円となっています。
模倣被害対策費の構成と平均模倣被害対策費の推移(特許庁HPより)
このように、模倣品対策にはある程度のコストが必要です。しかし、対策を継続することによって「○○社は模倣品対策に力を入れている」という評判が確立されれば、模倣品業者に対する強力な抑止力となります。模倣品対策にあたっては、ある程度の長期的展望が必要だと言えるでしょう。
模倣品対策のポイント
模倣品対策には色々な方法が考えられますが、ここでは、以下の2つをご紹介します。
【知的財産権の取得】
商標権などの知的財産権の取得は、模倣品対策の中でも一番重要です。権利を取得していれば、侵害者に対する差止請求や損害賠償請求に加え、税関に対して模倣品の取締りを申請することもできます。
◆ポイント◆
① 単に権利を取得すればよいという訳ではなく、模倣品対策にあたって有効に機能するものでなければなりません。
② 模倣品の多くは中国など海外で製造・販売されています。そのため、国内で商標権を取得するだけでなく、海外での商標権取得も戦略的に考える必要があります。
【製品に工夫】
自社製品に、真贋が容易にわかるような工夫(識別ポイント)を施せば、模倣品の早期発見につながります。また、税関における取締りもより容易になります。結果として、模倣品被害を最小化し、より一層迅速な権利行使が可能となるのです。
◆ポイント◆
商品やパッケージ自体に関する識別ポイントの他、社外非公表のルールに基づいて付された製品管理ナンバーを付したりすることも検討に値します。
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模倣品対策は重要ですが、手当り次第の対策になると相当の費用が発生します。”HARAKENZO more ” では、貴社のビジネス状況、今後の方向性等もヒアリングしながら、貴社に合った戦略を個別に検討させて頂きます。
模倣品対策についてご不明な点がございましたら、お気軽にご相談下さい。