日本国憲法前文を当特許事務所 HP「私達の夢1」に掲載した主旨について解説すれば、以下の通りです。
平和貢献への寄与
二十一世紀では、「社会貢献」や「平和貢献」が、これからの「企業価値」或いは「企業の存在意義」を表すものと認識されます。
当特許事務所においても、社会貢献の遂行と同時に、積極的に全世界に対して平和の重要性を提案し、これらに貢献していきたいと考えております。
世界で唯一無二の平和憲法といわれる日本国憲法、特に平和理念が謳われた「前文」の存在は、新憲法制定以来、一度の改正も行われることなく70年もの長時間を経ているにもかかわらず、残念ながら、未だに諸外国においては、たとえ近隣諸国の国民や、あるいは知日派の人達であっても、ほとんど誰も知らないし、また知らされていないというのが現実です。
当特許事務所では、私どもの国際業務を通じて平和の重要性を再認識していただく契機をつくり、平和貢献に少しでも寄与させていただくことにより、企業価値及び企業としての存在意義を高めていきたいと念願しております。
博愛精神の実現
日本国憲法のうち特に「前文」は、 『一人は万人のために、万人は一人のために。』 “One for all, and all for one.”という博愛精神の実現を希求した人類の理想を謳ったものであり、ナショナリズム(民族主義)を排除し、国境や文化を超越した崇高な理念です。全世界の人達に、まず「人類普遍の平和理念」とは何かを考えていただくことが重要であると考えています。
理想に近づく不断の努力
憲法前文の内容は非現実的であるかもしれません。しかし、現実的か非現実的であるかはさておき、私達には、愚直に理想に近づく努力が重要であると考えております。
法による人間の安全保障
平和を支える安全保障には、 『法による安全保障』 と、 『力による安全保障』 があります。また、国民一人ひとりに着目した 『人間の安全保障』 と、 『国家の安全保障』 とがあります。現実社会は、 『力による国家の安全保障』 が趨勢となっておりますが、これは明らかに人類の平和理念とは相反するものであり、しかもその実現には限界があります。
『平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、私達の安全と生存を保持しようと決意した。』 (同憲法前文)とする友愛と信頼の精神、並びに 『全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有する』 (同憲法前文)とする人類の平和理念に鑑み、私どもは、文明社会を構成する一員として、 『法による人間の安全保障』 を求め続けたいと念願しております。
知的財産権と平和社会の実現
知的財産権は、産業経済社会を秩序立てながら高度発達に向かって競争を加速させるツールですが、これも平和社会の存在があってはじめて「競争」の意義が生まれるものと認識しております。つまり、「平和社会」と「競争社会」とがコラボレーションされなければならないと考えております。
また、戦争や地域紛争の多くは、その根源が物質的貧困又は精神的貧困から派生していることは歴史の証明するところです。
知的財産権制度は、産業経済社会を高度に成長させて物質的貧困からの脱却を実現するとともに、無形の知的創作活動を通じて精神的貧困の克服をも併せて図ることができるという観点から、平和社会の実現に大きく寄与しているものと言えるでしょう。
私達の『夢』
残念ながら、憲法前文に謳われている人類普遍の平和理念(理想)と、現実社会とは、大きくかけ離れています。しかし、あきらめないで理想を追い求める努力はきわめて重要です。それは、まさに 『夢』 を追い求める若者の姿に形容することができます。私どもは、たとえ現実社会とはかけ離れていても、常に 『夢』 (人類普遍の平和理念)を追い求める集団でありたいと願っております。