外国の意匠制度

台湾の意匠制度

1.はじめに

台湾にて意匠権の権利保護を行う際に役立つ情報を、以下に掲載しております。

本ページが、お客様が海外で知財保護を行う上での一助となれば幸いです。ぜひお役立てください。

<平均的な審査期間>
First Action(拒絶理由通知等)は出願から約 6ヶ月、最終処分(登録又は拒絶)は出願から約 9ヶ月です。

2.台湾における意匠権

A.意匠

意匠法上での意匠は、「物品の全部又は一部の形状、模様、色彩又はこれらの結合であって、視覚に訴える創作」と定義されている。

以下の意匠も保護対象となる。

  • (1) 組物の意匠
    2以上の物品がロカルノ分類の同一クラスに属し、かつ習慣上、組物として販売又は使用する場合、1意匠で出願することができる。
  • (2) グラフィカルユーザインターフェイス
  • (3) コンピューターアイコン
  • (4) 部分意匠
  • (5) 関連意匠
    ・本意匠と類似する意匠(関連意匠)を、本意匠の意匠登録出願人が行うこと
    ・関連意匠出願は本意匠の出願日より後で本意匠の公告までに行うこと

B.出願書類等

  • (1) 願書
    ・創作者及び出願人の氏名及び住所、国籍。ロカルノ協定に基づく意匠の分類
    ・優先権主張の情報(主張する場合のみ。国名、出願日、出願番号)等
  • (2) 明細書
    ・意匠に係る物品名、物品の用途、意匠の説明、物品の外観が変化する場合には使用状態の変化などの簡潔な説明
    ・所謂当業者が、内容を理解し、且つ実施できるように、明確且つ十分に開示
    ・部品であれば、その部品が組み込まれる物品名も記載する必要あり
  • (3) 図面
    ・当業者が意匠を理解して実施できるように記載
     i)画像デザイン
     モニタ、ディスプレイパネル等画像デザインが表示される物品を図面に記載する必要はない。
     ii) 特定の商品に表示される画像デザイン
     部分意匠の表現方法を参照して画像デザインが表示される物品を描かなければならない。
     iii) *立体形状の画像デザイン、又は特殊な形態に合わせて画像が表示されるもの
     斜視図若しくはその他の図面で表現することができる。
     *3D投影・VR等で作られた三次元表示の特性を有する画像デザイン等
     ⅳ) 外観が変化する画像デザイン
     複数の図面で変化の状況を表現しなければならない。代表図を2以上にすることができる。
  • (4) 優先権証明書
    ・優先日から 10ヶ月以内に提出

C.意匠の登録要件

  • (1) 意匠の単一性
    ・一意匠一意匠出願。二以上の意匠を一出願した場合には分割出願が可能
  • (2) 視認性
    ・物品寿命のいずれかの時点で使⽤者もしくは消費者によって⽬視されることが要求される。
    ・顕微鏡により⽬視可能なものも保護されうる(宝⽯の微細なカットやLED)。
  • (3) 産業上の利用性
    ・意匠が意匠の定義に該当すること
    ・意匠が純粋に芸術的な創作又は美術工芸品に関するものではないこと
  • (4) 新規性
    ・内外国公知公用を判断基準
    ・当該出願日前の他人の出願意匠と同一・類似ではないこと
    ・新規性喪失の例外適用により6ヶ月の猶予期間
      ①刊行物に発表
      ②政府主催の展覧会又は、政府が認可した展覧会での展示
      ③出願人の意に反した漏洩
  • (5) 創作非容易性
  • (6) その他の主な不登録事由
    ・純粋に機能的な形状の意匠
    ・公序良俗又は公衆衛生を害する意匠

D.審査主義

  1. 意匠出願を提出後に審査請求を提出する必要なく、自動的に方式審査および実体審査へと移行する。
  2. 拒絶査定に対しては、経済部に30日以内に訴願請求することが可能。
  3. 無効審判制度がある。

E.存続期間

  1. 意匠出願日から15年(意匠権は、意匠付与の公告日に発生)
  2. 関連意匠の意匠権の存続期間は本意匠の意匠権の存続期間と同一

F.条約

主な条約への加盟状況は以下の通り

パリ条約 WTO協定 ハーグ協定 ロカルノ協定
未加盟 加盟 未加盟 未加盟

関連記事

TOP